2020 Fiscal Year Research-status Report
ビジネス企画・技術・クリエイティブ職種間の異分野協働の創造プロセス
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18K01759
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
竹田 陽子 東京都立大学, 経営学研究科, 教授 (80319011)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 創造的成果 / 創造プロセス / ビジネス企画 / 技術開発 / 多様性 / 多元的視点取得 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今までにない製品・サービス・ビジネスモデルを生み出そうとする状況において、ビジネスの企画者や技術の開発者の発想と行動のパターン、組織における位置づけの違いに焦点をあてることで、場創発型の異分野協働を効果的に出現させ、新しい付加価値を生み出すメカニズムを解明することを目的としている。本年度の着眼点は、異なる認識・思考・行動の様式に触れることによって、チームが多様なステークホルダーの立場に立って他者の視点を取得する多元的な視点取得(Boland & Tenkasi,1995; Bechky, 2003)が創造的成果を向上させる可能性である。本研究では、多様なステークホルダーの立場に立って視点を取得することを多元的視点取得と呼んでいる。 チームの多様性と多元的視点取得がチームの創造的な成果にどのように関わるかを、事業・商品・サービスの企画プロジェクトの調査票調査を実施した(n=400)。チームメンバーの多様性は、複数の立場の異なる人の視点に立つ多元的視点取得を介して、間接的に創造的成果を向上させていることを解明した。また、チームメンバーの多様性は、外部ネットワークの多様性を広げることを通じて多元的視点取得を促進し、創造的成果を向上させることを明らかにした。 ビジネス企画者と技術開発者の比較調査(n=400)では、ビジネス企画では多元的視点取得を通じて創造的成果を上がるのに対して、新技術開発では創造的成果に多元的視点取得は寄与せず、強いリーダーシップやチーム内の信頼が寄与していた。職種、状況要因によるメカニズムの違いについてはさらに分析が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多元的視点取得とチームの多様性がチームの創造的な成果にどのように関わるか、また職種による違いを、前年度に実施した調査票調査のデータによって検証し、2件の雑誌投稿と2件の学会発表をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
事業・商品・サービスの企画、技術開発に関する調査票調査のデータをさらに分析し、学会発表、論文執筆をおこなう。
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