2021 Fiscal Year Research-status Report
ビジネス企画・技術・クリエイティブ職種間の異分野協働の創造プロセス
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18K01759
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
竹田 陽子 東京都立大学, 経営学研究科, 教授 (80319011)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 創造プロセス / 創造的成果 / 多元的視点取得 / 多様性 / ネットワーク多様性 / ビジネス企画 / ハードウェア開発 / ソフトウェア開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今までにない製品・サービス・ビジネスモデルを生み出そうとする状況において、ビジネスの企画者や技術の開発者の発想と行動のパターン、組織における位置づけの違いに焦点をあてることで、場創発型の異分野協働を効果的に出現させ、新しい付加価値を生み出すメカニズムを解明することを目的としている。前年度までのビジネス企画における研究で、チームの多様性とチームが接触する相手の多様性は、多様なステークホルダーの立場に立って視点を取得する多元的視点取得に媒介されて、創造的成果を向上させることを見いだした。本年度は、多元的視点取得に媒介される創造メカニズムが、ビジネス企画、ハードウェア開発、ソフトウェア開発の3つのタスクによって異なるかどうかを検証した。 各タスク群は、創造的成果向上メカニズム(多様性→接触多様性→多元的視点取得→創造的成果)には大きな違いが見られなかったが、創造的成果のレベルはビジネス企画とハードウェア開発で高く、ソフトウェア開発で低かった。ビジネス企画とハードウェア開発は、組織からの新奇性要求が高いことがその背景にあると考えられるが、新奇性の内容は両者で大きく異なった。ビジネス企画は戦略的に位置づけられた特任チームが新しいビジネス機会を開拓することが多いのに対し、ハードウェア開発は通常業務の一環で、既存顧客のニーズ対応、コストダウンを求められていた。新奇性要求が低く、企業戦略の一環として位置づけられることが最も少なかったソフトウェア開発は、専任チームで同じ部屋で作業していることが多いのにかかわらず、外部内部を問わずコミュニケーションの量とバラエティが小さく、多元的視点取得が不活発であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多元的視点取得とチームの多様性がチームの創造的な成果にどのように関わるかについての量的調査の論文が査読プロセスを経て学術雑誌に掲載決定された。(2022年度中に刊行予定)
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Strategy for Future Research Activity |
4年間の多元的視点取得と多様性が創造的成果に与える影響、職種やタスクによる違いに関する定量的、定性的研究をまとめて専門書を執筆する。また、最新の研究について学会発表をおこなう。
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Research Products
(4 results)