2019 Fiscal Year Research-status Report
技能系老舗同族企業における事業・技能継承に関する研究
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18K01760
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
曽根 秀一 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (70634575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 恭裕 関西大学, 社会学部, 教授 (30244669)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 刃物産業 / ファミリービジネス / 老舗企業 / 存続 / 技能継承 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度における研究計画は、研究代表者の曽根および研究分担者の上野が研究課題を基本として、これまで両者が長年蓄積してきた内容の深堀りや新しい企業へのアクセスおよびフィールド調査によって得られた成果を国内外の学会などで報告および論文執筆、投稿を行った。 具体的には、曽根が、ファミリービジネス学会年次大会、ファミリービジネス研究所セミナーにおいて具体的企業や産業の調査報告、比較検討などを行った。また、日本商業学会関西部会、組織学会年次大会、日本国際情報学会等では理論的内容も含めて研究報告を行うとともに、研究者らとディスカッションなども行うことで研究の発展が進み、貴重な時間となった。国外では、IMT ConferenceやSMEUCE(Sustainability Management of e-Business and Ubiquitous Commerce Engineering)において報告を行った。海外研究者の共同報告を通じて、より国際的発展性が帯びたものになったと考える。査読付き論文の掲載については、曽根が、SMEUCE(Sustainability Management of e-Business and Ubiquitous Commerce Engineering Proceeding)(共著)にファミリービジネスの視点を中心とした内容で掲載された。 査読なし論文の業績については、上野が、『季刊ひょうご経済』において論文が発表された。また、曽根が、第44回中小企業研究奨励賞本賞、第12回ファミリービジネス学会 学会賞(著作の部)、第56回日本地域学会 学会賞(著作賞)、第22回日本ベンチャー学会清成忠男賞(書籍部門)を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗状況は、年度末に新型コロナウイルスの影響で研究分担者が渡英できなくなり、予定変更せざるを得ない状況となった。しかしながら、研究代表者は2019年夏に渡英し対象企業や研究者らと常にアクセスできる状況である。さらに、昨年度は研究代表者が公刊した書籍が研究課題に関わる関連学会・団体より複数の学会賞を受賞し、一定の関連した成果を示すことができた。 また、昨年中に国内外の学会での学会報告において議論を発展させることができた。また、書籍で発表された研究をもとに国外での学会およびシンポジウム(Sustainability Management of eBusiness and Ubiquitous Commerce Engineering、IMT Conference)で研究報告するとともに、Proceedingに査読付きで掲載された。また、世界三大刃物産地とも称される、シェフィールド(英国)、ゾーリンゲン(ドイツ)、関(日本)の企業にそれぞれアクセスし、2018年度に続き、2019年度は、7月に曽根がシェフィールド(英国)を訪問し、Inkerman社など複数の刃物関連企業のフィールド調査を行った。2020年3月初旬には、上野もシェフィールドを訪問し、Handmade Scissors社を訪問し、経営者との面会のアポイントメントをとり、その後も連絡をとりあえる状況である(前述の通り、新型コロナウイルスの影響で次年度に繰り越しになった)。 想定外も生じたが、これまで曽根と上野は当該分野での研究蓄積が多いうえに昨年度も新たに信頼関係が構築され、メールでのやりとりや情報・資料収集が可能となっている。このため、2020年度以後の刃物産地や企業の比較研究にかんする論文投稿への準備段階にも入り、具体的な投稿先など打ち合わせ済みである。以上の点からもおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の研究実施計画は、①過年度から引き続き、理論的・実証的研究の継続およびフィールド調査の実施、②これまでの研究蓄積をもとに学会報告ならびに論文執筆・公刊を行うことである。 上記①については、本年度も引き続き、イギリス、ドイツ、関の世界三大刃物産地への調査を中心に計画しているが、新型コロナウイルスの状況次第では、これまで信頼関係を築いてきた企業とメール等も含めた遠隔でやり取りを行っていくことを考えている。また、日本国内の産地への調査に比重を置くことも予備的に検討している。 次に②については、国内外の学会での報告および、専門学術誌への論文の投稿を予定している。学会報告にかんしては、曽根が、組織学会年次大会、企業家研究フォーラムにおける報告が受理されている。また、論文の投稿については、上野と曽根でゾーリンゲンとシェフィールドの比較を行った共著論文の執筆、投稿をすでに計画している。さらに曽根がSpringer社から書籍(共著)を出版予定しているほか、ドイツ企業を取り上げた書籍の執筆にとりかかっており、そのうちの1章において、ゾーリンゲンの企業の事例をあげる予定である。
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Causes of Carryover |
2020年3月に上野が渡英し、シェフィールドの刃物企業Handmade Scissors社などを訪問する予定であったが、新型コロナウイルスの影響で渡航が困難となった。直前まで調整を行ったが、世界中にさらに蔓延したことで調整不可となり、やむなく2019年度中の渡航を断念した(キャンセル料発生)。このため、生じた次年度(2020年度)の使用額を再度渡英に充てる予定をしている。
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Research Products
(24 results)