2020 Fiscal Year Research-status Report
Bottleneck in design-driven product development and how to overcome it
Project/Area Number |
18K01775
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
森永 泰史 京都産業大学, 経営学部, 教授 (10405649)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | デザインマネジメント / イノベーション / 製品開発事例 / アプローチの順番 / 関与のタイミング / デザイナーの関与のスタイル |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に抽出した231件の製品開発事例を、アプローチの順番(その製品の開発がデザイン部門からの提案で始まったのか、技術部門からの依頼で始まったのか)とデザイナーの関与のタイミングの2点に注目して、5つ(1.自主提案型、2.義務提案型、3.先回り型、4.同時並行型、5.標準型)に分類した。 まず、アプローチの順番に注目したところ、リストアップされた231件の製品開発事例のうち、提案型に該当するものが99件、受託型に該当するものが131件あった。さらに、後者の受託型をタイミングの違いに注目してより細かく分類すると、先回り型に該当するものが13件、同時並行型に該当するものが101件、標準型に該当するものが17件あった。 このように、当初は製品開発事例を大まかに4つに類型化していたが、事例の中身をさらに丁寧に読み解いてみると、同じ提案型であっても、それがデザイナーからの自主的な提案なのか、義務(業務)としての提案なのかによって、関与の仕方がさらに「自主提案型」と「義務提案型」の2つに分類できることが窺えた。そのため、ここでは、デザイナーの関与のスタイルを前述した5つに分類している。 なお、先行研究では、先回り型を次期商品計画の段階からデザイン部門を巻き込んで方向性を共有し、今期の商品開発ではその方向性に従って商品開発を進めていくやり方と定義していたが、事例の中身を読んでいくと、より主体的でインフォーマルな方法がいくつか含まれていることが窺えた。さらに、すべてがすっきり分類できたわけではなく、製品によっては2つのパターンにまたがりそうなものもいくつかあった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は4年間の3年目にあたる。当初の計画では、一昨年(2年目)のうちに製品開発事例の類型化を終えることが目標であった。しかし、収集した二次データの数が予想以上に多かったため、その選別作業に時間をとられ、昨年度までその作業が繰り越された。加えて、新型コロナウイルスの蔓延により、大学の講義が一斉にオンラインに切り替わり、一から授業準備をやり直す必要が生じたことで、時間が大きく奪われた。その結果、当初の予定からは遅れが生じてしまっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今年度の成果を足掛かりに、時間が許す限り、本研究の目的である「デザイナーの関与創出メカニズム」を解明したいと考えている。元々は、この作業に2年間を費やして取り組む予定であったが、それを1年に圧縮して進めていきたい。
|
Research Products
(2 results)