2021 Fiscal Year Research-status Report
Government Venture Capital: Role in Nurturing Startups and Its Crowding-in/out Effect on the Venture Capital Industry
Project/Area Number |
18K01779
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
桐畑 哲也 立命館大学, 経営学部, 教授 (60379542)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 公的ベンチャーキャピタル / 新技術ベンチャー / 育成効果 / 呼び水効果 / 民間ベンチャーキャピタル / ビジネスエンジェル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の研究目的は,「公的ベンチャーキャピタルの育成及び呼び水効果の解明」である.公的ベンチャーキャピタル施策は, 事業資金に苦しむ新技術ベンチャー(New Technology Based Firms)に直接投資を行うことで,その成長を支援すると共に, ハイリスクとして敬遠されがちな新技術ベンチャー投資に民間ベンチャーキャピタル等を呼び込むことを政策目標としている.本研究課題の核心をなす学術的「問い」は,公的ベンチャーキャピタル施策の検証,すなわち,以下の2つのリサーチクエスチョンである. リサーチクエスチョン1 公的ベンチャーキャピタルは,新技術ベンチャーを育成しているのか(育成効果). リサーチクエスチョン2 公的ベンチャーキャピタルは,新技術ベンチャー投資に民間ベンチャーキャピタルを呼び込んでいるのか(呼び水効果). 本年度は、コロナウィルスの世界的な流行に伴う移動制限等に伴い,公的ベンチャーキャピタルに関するサーベイをより充実させると共に研究アプローチを大胆に変更することを試みた.研究活動の一部は、桐畑哲也「官民シンジケーションベンチャーキャピタル投資による投資先業績への影響」 『立命館経営学』60(5),2022年1月 pp. 69-90.において発表済である.また,Kirihata Tetsuya, The impact of mixed syndication between government and private venture capital on investees in Estonia, Journal of Asian Business and Economic Studies.において発表される予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【現在までの進捗状況】は、概ね順調に進展している,とした.【研究実績の概要】で既に指摘したが、本年度は,コロナウィルスの世界的な流行に伴う移動制限等に鑑み,予定していた国内,海外フィールドワーク等に代わって,公的ベンチャーキャピタルに関する先行研究サーベイの充実,研究アプローチの変更,研究対象の拡大を試みた.具体的には,新たに入手した海外のデータベースを用いて,公的ベンチャーキャピタルの分析に着手した.また,成長初期かつハイテクを特徴とする新技術ベンチャー投資において,民間ベンチャーキャピタルを補完する存在として,公的ベンチャーキャピタルと並んで着目されているものの,日本において諸外国との比較で規模が劣るビジネス・エンジェルについて,公的ベンチャーキャピタルとの比較での研究に着手した. 研究計画の変更は不可避であったものの,質的な意味での進捗は,概ね順調に進展しているレベルにあるのではないかと自己評価している.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題については、コロナウィルスの世界的な流行に伴う移動制限等に鑑み,予定していた国内,海外フィールドワーク等に代わって,公的ベンチャーキャピタルに関する先行研究サーベイの充実,研究アプローチの変更,研究対象の拡大を試みた.しかし,【現在までの進捗状況】で述べた通り,進捗状況は,概ね順調に進展している.とした.これは,質的な意味での進捗が,概ね順調に進展しているレベルにあるのではないかとの自己評価である. 【今後の研究の推進方策】としては,来年度が最終年度ということもあり,1年以内で成果を上げる可能性がある短期目標と,それ以上の期間が必要な長期目標に明確に区別し,研究を進めることとしたい.研究計画の変更はあるものの,質的な意味で,当初想定していたレベルの成果を上げるべく全力を上げたい.また,最後になるが,状況は改善傾向であるが,コロナウィルスの今後の動向についても,注視しつつ研究を進めてまいりたい.
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの世界的な流行に伴う移動制限により,研究計画を一部変更し,次年度以降に繰り越す事となった.
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