2022 Fiscal Year Research-status Report
Government Venture Capital: Role in Nurturing Startups and Its Crowding-in/out Effect on the Venture Capital Industry
Project/Area Number |
18K01779
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
桐畑 哲也 立命館大学, 経営学部, 教授 (60379542)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 公的ベンチャーキャピタル / 新技術ベンチャー / 育成効果 / 呼び水効果 / 民間ベンチャーキャピタル / ビジネス・エンジェル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の研究目的は,「公的ベンチャーキャピタルの育成及び呼び水効果の解明」である.公的ベンチャーキャピタル施策は,事業資金に苦しむ新技術ベンチャー(New Technology Based Firms)に直接投資を行うことで,その成長を支援すると共に,ハイリスクとして敬遠されがちな新技術ベンチャー投資に民間ベンチャーキャピタル等を呼び込むことを政策目標としている.本研究課題の核心をなす学術的「問い」は,公的ベンチャーキャピタル施策の検証,すなわち,以下の2つのリサーチクエスチョンである. リサーチクエスチョン1 公的ベンチャーキャピタルは,新技術ベンチャーを育成しているのか(育成効果). リサーチクエスチョン2 公的ベンチャーキャピタルは,新技術ベンチャー投資に民間ベンチャーキャピタルを呼び込んでいるのか(呼び水効果). 本年度は、エストニアにおける公的ベンチャーキャピタルの研究について,査読付きジャーナルに投稿,採択された.また,成長初期かつハイテクを特徴とする新技術ベンチャー投資において,民間ベンチャーキャピタルを補完する存在として,公的ベンチャーキャピタルと並んで着目されているビジネス・エンジェルについての研究についても,査読付きジャーナルに投稿,採択された.研究活動の一部は、Kirihata Tetsuya, Contribution of business angel investments: evidence from Estonia, Journal of Capital Market Studies Vol. 6, 2022, 及び,Kirihata Tetsuya, The impact of mixed syndication between government and private venture capital on investees in Estonia, Journal of Asian Business and Economic Studies Vol. 29, 2022として発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【現在までの進捗状況】は、概ね順調に進展している,とした.本研究課題は,昨年度までに,コロナウィルスの世界的な流行に伴う移動制限等に鑑み,予定していた研究計画を大幅に変更した.しかし,【研究実績の概要】で既に述べたしたように,エストニアにおける公的ベンチャーキャピタル,及び民間ベンチャーキャピタルを補完する存在として,公的ベンチャーキャピタルと並んで着目されているビジネス・エンジェルについての研究について,共に,査読付きジャーナルに投稿,採択された.研究計画の変更は不可避であったものの,結果的には,一定の成果を上げることができた.概ね順調に進展しているレベルにあるのではないかと自己評価している.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題については、コロナウィルスの世界的な流行に伴う移動制限等に鑑み,予定していた国内,海外フィールドワーク等に代わって,公的ベンチャーキャピタルに関する先行研究サーベイの充実,研究アプローチの変更,研究対象の拡大を試みた.このため,研究期間を来年度1年間延長することとした.【今後の研究の推進方策】としては,来年度は,研究期間を延長した上での最終年度ということもあり,1年以内で成果を上げる可能性がある短期目標に集中して,研究を進めることとしたい.また,最後になるが,収束しつつあるコロナウィルスの世界的な流行状況については注視しつつ,柔軟な研究活動を心がけたい.
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Causes of Carryover |
科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間の延長に伴うものである.事由としては,自然災害によるもの,すなわち,新型コロナウィルスによる.使用計画としては,研究計画に遅れに伴い実施されなかった物品費,旅費などを予定している.
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