2021 Fiscal Year Research-status Report
Empirical research on institutional change and influence of social issues
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18K01782
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
寺本 佳苗 麗澤大学, 経済学部2, 准教授 (50610341)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 企業倫理 / サプライチェーン / 制度 / 社会的課題 / 企業の社会的責任 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会的課題の一つはビジネスの現場における人権リスクである。とりわけサプライチェーンにおける人権リスクについて研究を進めているが、その問題が発生する基本的な構造は分業にある。効率的に良いものを作るための仕組みである分業が、一つの製品を作るためのサプライチェーンの長さを生み出している。分業により「知らないうちに人権リスクを抱えている」ということが、企業にとっての課題である。 現在、その課題対応の方策として「制度化」が選択されている。業界内での企業同士の連携、そして制度化が変化する過程における行政やNGOなどの企業以外の組織との連携もとられるようになっている。この方法が業界を超えて広がっていることがわかってきた。しかし、制度を参照して対応することありきで考えることが通常となってしまうと、本来は組織として重要な能力であった、リスクを感知する能力、リスクに対応する能力を失ってしまう。制度を生み出す組織と連携をとりながらリスクを把握し、そのリスクに対応することが重要であることを明らかにした。 この研究成果は『利他の構造』共著、分担執筆第2章「制度化を通じた利他の広がりーサプライチェーンの人権リスク対応に注目して」2021年11月、ミネルヴァ書房.に詳述している。また、令和3年12月5日に開催された、第9回鹿児島大学稲盛アカデミー公開シンポジウム「利他の経営ー稲盛経営哲学の真髄を学ぶー」において、研究報告をおこなった。 このように、本研究は企業経営の現場においてその課題に対応するためどのようなチャレンジがおこなわれているのか、またその対応の抱えるリスクについて明らかにしているもので、その内容については書籍や研究報告の場を通じて発信している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、先行研究と調査を進めてきた。文献のレビュー、調査も予定通り進んでいる。研究の成果報告に向けて成果を論文にまとめられてきた。しかし、環境の悪化により、研究の成果を報告する機会を想定したようには得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して分析を続けるが、まとまってきた研究の成果報告と論文執筆に重点を置いていく予定である。また、研究報告の機会を国内と国外で得るために、アプライを継続して行なっていきたい。
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Causes of Carryover |
国際大会での研究報告の機会を現地で得ることができなかったため。
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Research Products
(1 results)