2019 Fiscal Year Research-status Report
アジア展開における中小企業の経営自立化のメカニズム研究
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18K01783
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Research Institution | Japan University of Economics |
Principal Investigator |
高橋 文行 日本経済大学, 経営学部(渋谷キャンパス), 教授 (10647689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 敬三 日本経済大学, 経営学部(渋谷キャンパス), 特任教授 (30592448)
安田 知絵 江戸川大学, 社会学部, 講師 (70719707)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アジア / 中小企業 / 国際戦略 / 企業間関係 / 経営管理 / 産業集積 / サプライヤー / 自立 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アジアに進出した中小企業の経営戦略の経年変化に関する実証研究である。中小企業の国際戦略における、下請企業からの脱皮と、それによる経営の自立化のメカニズムを解明しようとしている。昨年度は、中国、韓国、台湾、ベトナムに投資した中小企業の経営状況や国際戦略に関する調査研究を行った。現地調査を通して、アジア展開における日系中小企業の経営実態を把握でき、経営の維持が問題となっていることが明らかとなった。 本年度は、本研究の2年目で、1年目で行った基礎的文献調査およびデータ分析に踏まえ、各研究分担者が各自で研究を進め、学会発表や論文投稿を行った。さらに、研究者間で計4回の研究会を開催し、進捗や3年目の方向性を定めた。それぞれの分担者はすでに一定の研究蓄積ができている。本年度の研究実績については以下の通りである。雑誌論文4件(うち査読付き論文3件)、国際大会発表5件。さらに研究成果を学会で報告し、論文として投稿をしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究成果に基づき、アジアに展開している中小企業の経営自立化の仮説を検証するため、中国、韓国、台湾、ベトナムに進出した中小企業のインタビュー調査の実施を進めることができた。ベトナムの国際大会での発表の際には、現地のJETRO事務所にもヒアリングを行った。また、台湾の日系企業を訪問する際に、台湾の中小企業局を訪問。外資企業や地場企業との比較研究も行い、従来の産業集積を超えた新たな国際地域連携について考察した。さらに、海外の研究者や企業の実務家を招き、質疑を通した意見交換の場を2回設けた。 以上の研究活動を通して、本年度の研究実績については、雑誌論文4件を投稿、国際大会5件で発表した。研究者は全員、論文を投稿し国際大会で研究成果を発表していることから、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は基本的には前年に引き続き、研究計画を踏襲する。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響で各国間の移動や外出が制限されたため、予定していた8月、9月の海外出張ができなくなり、さらに今後の国境封鎖を解除する時期が不明瞭のため、研究計画の一部変更が必要になってくると思われる。 そのためまず、全てのメンバーを集め、今までの研究を振り返り、それぞれの研究成果に関する意見交換を行うとともに、今後の研究方針を再確認する。もし、海外でのインタビュー調査ができなくなる場合、以前訪問した100余の中小企業へのサプライチェーンの再構築についてアンケート調査に切り替えて実施する。 また、定期的に研究会を開催し、学際的なモデル化・概念化を図る。令和3年には、最終成果として単行本を発行することを目標としている。
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Causes of Carryover |
本研究の予算は主に旅費として使用する。時間的制約により予定されていた海外出張を実現できなかった場合、その出張計画はそのまま順延して、次年度の研究調査の旅費として使用する。また、アンケート調査の実施費用としても利用する予定。
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Research Products
(9 results)