2022 Fiscal Year Research-status Report
なぜ大手製薬企業ではバイオ医薬品の研究開発効率性に差異が生まれるのか
Project/Area Number |
18K01785
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
宮重 徹也 富山高等専門学校, その他部局等, 教授 (70332012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 敦 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (00326456)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バイオ医薬品 / 研究開発効率性 / 差異 / 多面的な研究開発 / バイオ医薬品にする技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、欧米の大手製薬企業におけるバイオ医薬品の研究開発効率性を分析のうえ、その研究開発効率性の差異をもたらす要因を明らかにすることを目的として、研究を実施している。 当初計画では、昨年度、計量分析の最終成果と普遍化された事例分析の最終成果をまとめ、本研究の最終成果を報告する予定であった。しかしながら、3年間に渡り、新型コロナウイルスの感染状況が改善せず、計量分析用データの収集及び計量分析の改善が進まなかった。それにも増して、このような状況下においては、欧米の大手製薬企業へのインタビュー調査が実施できず、事例分析用資料の収集ができなかった。 一方で、新型コロナウイルス感染拡大前に収集していた事例分析用資料の見直し、及び、国内にて追加収集した事例分析用資料の調査から、バイオ医薬品の研究開発に関する新たな分析枠組みを発見した。その新たな分析枠組みから、バイオ医薬品の研究開発効率性の差異をもたらす要因が示唆された。 具体的には、低分子医薬品は1つの単一的な特許により保護される医薬品であり、低分子医薬品の研究開発は、一面的な研究開発活動として捉えられた。それに対して、バイオ医薬品は複数の複合的な特許により保護される医薬品であり、バイオ医薬品の研究開発は、多面的な研究開発活動として捉えられることが示された。その多面的なバイオ医薬品の研究開発の分析においては、新規生物物質をバイオ医薬品にする技術が、研究開発効率性に差異をもたらす要因である可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度までの進捗が当初計画よりも大幅に遅れていた。本年度も新型コロナウイルスの感染拡大から、計量分析用データの収集及び計量分析の改善が進まず、欧米の大手製薬企業からの事例分析用資料の収集もできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオ医薬品の研究開発に関する新たな分析枠組みを発見し、その分析枠組みから、バイオ医薬品の研究開発効率性の差異をもたらす要因が示唆された。 今後は現在の計量分析用データを基に、この新たな分析枠組みから計量分析手法を改善のうえ、計量分析を実施する。加えて、これまでに収集してきた事例分析用資料の再検討、及び、国内における事例分析用資料の追加収集を実施する。その結果、今回発見した新たな分析枠組みから、欧米の大手製薬企業におけるバイオ医薬品の研究開発効率性の差異をもたらす要因が明らかになる予定である。
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Causes of Carryover |
計量分析の実施が大幅に遅れている。次年度は、新たな分析枠組みからの計量分析手法の改善、及び、改善された計量分析手法に基づく計量分析を実施するため、これらの経費を使用する。 また、新型コロナウイルス感染拡大のため、事例分析用データの収集作業も大幅に遅れている。次年度は、事例分析用資料の追加収集のためにも、これらの経費を使用する。
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