2021 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical research on the role of regional headquarters in global talent management
Project/Area Number |
18K01800
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
笠原 民子 静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (40523189)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | タレントマネジメント / タレント識別 / 地域統括本社 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研は、グローバルタレントマネジメント(GTM:gloal talent managemenrt)、特にタレント識別における地域統括本社の役割を明らかにすることを目的としている。GTM研究では、本社が主導して、全世界に散在する海外子会社の優秀な人材を識別し、マネジメントすることが、多国籍企業のグローバルな競争優位の構築・維持に繋がるとの認識に立っている。GTMとは、現在及び将来にわたって高業績を生み出すことが期待されている優秀な人材を対象としたタレントプールのマネジメントを指す。海外子会社のタレントを識別することは、多国籍企業にとって喫緊の課題である。しかしタレント識別に関する研究は未だ十分な研究が蓄積されていない状況にある。数少ない先行研究では、本社から物理的、文化的、制度的距離のある海外子会社の優秀な人材は、物理的、文化的、制度的な距離(外的要因)がある故に本社から認識されず、本社のタレントプールへの組み込みの対象外とされていることが指摘されている。本研究課題では、様々な距離を埋める役割として、先行研究でほとんど検討されてこなかった地域統括本社の役割に着目した研究を遂行してきた。 本科研では、定性的、定量的手法を用いて本研究課題の解明に取り組んだ。定性的研究では、文献レビューを中心に概念モデルを構築し、その成果は論文として出版した。しかし、本研究課題の遂行中にコロナ感染症が拡大していたこともあり、現地に赴いての調査を実施することができなかった。定量調査を実施するために、文献レビューを通じて、各構成概念の測定項目を設定した。ただし、上述したように、コロナ感染症拡大を受け、定量調査を実施するための予備調査等にも研究計画書で想定していた以上の時間がかかった。最終年度には、定量調査を実施したが、実施直前にロシアによるウクライナ侵攻の政治的問題が勃発し、調査票の送付先等に大きな影響を受けた。
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