2018 Fiscal Year Research-status Report
Behavioral Psychology Analysis of Japanese Companies by Measuring Innovation with Patent and Text Mining indicators
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18K01813
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
関 智一 立教大学, 経済学部, 教授 (50301966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菰田 文男 埼玉学園大学, 経済経営学部, 教授 (60116720)
井口 知栄 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (20411209)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イノベーション / 研究開発 / 特許 / テキストマイニング / ピンポイントフォーカス型 / 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題である「特許及びテキストマイニングによるイノベーション測定と日本企業の行動心理分析」に向けて第一年度、研究代表者(關智一)及び研究分担者の一人(井口知栄)は、分析のベースとなる先行研究の整理及び理論の洗い出しを行った。とくにイノベーション理論に関する議論の整理は、次年度以降の実証研究の方向性を明確化するうえで不可欠な作業である。そうした具体的成果は、秋野・關・坂本・山中・井口・荒井編著(2018)『グローバル化とイノベーションの経営学』税務経理協会、として上梓している。研究代表者(關智一)は、第5章「企業成長とイノベーション」および第8章「日米企業の研究開発活動の歩み」を担当し、研究分担者の一人(井口知栄)は第3章「企業成長と国際化」を担当した。 研究分担者の一人(菰田文男)は、既に企業の経営戦略の立案・評価に、特許公報・学術論文・業界紙記事・新聞記事などのさまざまなテキストの解析を利用する手法についての研究を積み重ねており、本研究プロジェクトでもその手法を継承し、発展させることを目指している。これまでの研究では、出現頻度の少ない重要語をいかに発見するか、人が持つ背景知識をいかに利用するか等が、その中心であったが、本研究ではこれらの手法をベースとして狭いトピックを掘り下げて、企業がその意思決定を委ねるに足るだけの信頼性のある知識を獲得するための「ピンポイントフォーカス型」の手法を提示することを目指している。そのために膨大な量の全テキストを数文単位のテキストブロックに分割し、語と語との共起情報の信頼性を高め、さらに関連のあるテキストブロックを結びつけることによって知識を精緻化するという、従来にないテキストマイニング手法を模索することが目指される。 以上、第一年度の研究成果を踏まえ、第二年度以降はさらに実証的な分析を加え、研究課題の解明に向けた分析を進展させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者(關智一)及び研究分担者の一人(井口知栄)は、理論研究の成果を編著書として刊行することができた。 また研究分担者の一人(菰田文男)は、テキストマイニングについて、マイニング手法を実験するためのテキストデータを収集することから始めた。収集したのは、日本経済新聞社が提供する「日経BP」に含まれる記事の中から、「人工知能」に関する約2000件の記事、日本特許庁の特許公報の中から「人工知能」に関する約2500件の特許である。「人工知能」を取り上げた理由は、急速にビジネス化に向けて進みつつありながら、その将来の方向性が流動的で不確実性が多いために、テキストマイニングが果たす役割が大きいと予想されるからである。この二つのテキストから、ある特定の重要なトピックを発見し、それをさらに深く掘り下げて精緻な知識を得るためのピンポイントフォーカス型の手法を実験するために5文単位のテキストブロックを作成した。次いで、5文単位の内部での語の共起関係から作成された共起行列に多変量解析を適用し、さらに深層学習ツールとしてのWoed2vecを適用することによって、単語のネットワークを発見し、さらにテキストブロック間の文脈の類似性を発見するためにDoc2vecを適用し、テキストブロックを結びつけるという手法の意義を実験した。 以上、現在までの進捗状況からは、分析視角とともに分析手法の整備が進められており、以降のさらなる実証分析に向けた取り組みのベースとなる活動を行うことができたと自負している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者(關智一)及び研究分担者の一人(井口知栄)は、本年度の理論研究の成果を基に、「日本企業の行動心理分析」に向けたデータサンプルの収集及び分析を進めていく。 また、研究分担者の一人(菰田文男)は、テキストマイニング手法の開発のための今後の研究は、第一年度におこなったテキストブロックを作成し、さらにテキストブロック間を結びつけるという手法が、どれだけ知識の精緻化を可能にしたかを検証・評価することから始める。そして、テキストデータから「意味の塊」を発見するためには、テキストブロックを5文単位とすることが最適なのか等について検討する。次いで、語の類似性や、テキストブロックの文脈の類似性をWoed2vecやDoc3vecを用いて、より正しく発見するためには、テキストブロックをどのように修正することが望ましいか、類似性の起点となる語あるいはテキストブロックをどのように作成することが望ましいか等を実験する。さらに、この類似性の発見の精度を向上させるためには、単に語と語との共起関係だけでなく、語の係り受け関係で結びつけられた句に注目することが不可欠であると予想されるので、さまざまな構文解析ツールを用いて句を抽出し、それに多変量解析や深層学習ツールを適用することの意義を検証する。 以上の研究の推進方策を通じて、研究課題である「特許及びテキストマイニングによるイノベーション測定と日本企業の行動心理分析」の解明に向けて、さらなる研究業績の蓄積に努めたい。
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Causes of Carryover |
第一年度にも、研究課題にある「日本企業の行動心理分析」に向けたサンプルデータの収集を行う予定であったが、現在、ウェブ上に公開されている無料公開データの分析からスタートしているため、第一年度に予定していた費用支出の機会がなかった。 但し、第二年度以降での本格的な分析に向けて、有料データの活用段階に入るため、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(2 results)