2021 Fiscal Year Research-status Report
変革型人材を発掘・育成するための新たな構成概念尺度の構築と経営組織への適用
Project/Area Number |
18K01825
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
堀上 明 関西国際大学, 経営学部, 教授 (30732127)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 創造性 / 使命感 / 経営理念 |
Outline of Annual Research Achievements |
1."The Tripartite Thinking Model of Creativity" 変革型人材を構成する要素の1つである創造性に関する研究。従来の創造性研究では、創造性の操作定義を曖昧にしたままに創造性の測定がおこなわれてきた。本研究では、創造的問題解決のプロセスを手がかりに創造性の思考三位一体理論を構築した。さらに、この理論に依拠した創造性尺度のプロトタイプの開発を試みた。評価者間信頼性は検査項目によって結果が分かれた。構成概念妥当性は確認的因子分析によって評価され、全体的に適合度が高いことが示された。しかし、いくつかの因子負荷量は低く、項目設計に改善の余地があることが示された。弁別妥当性はATTA(Abbreviated Torrance Test for Adults)との共分散構造分析によって評価された。その結果、相関は低く、創造性思考三位一体理論をベースとした創造性尺度は、ATTAとは異なる創造性の構成要素を測定していることが示唆された。 2.コア理念に着目した経営理念の指標化の研究 変革型人材の属性のひとつと想定される使命感、とりわけ起業家の使命感は、創業した企業の経営理念に反映されていると考えられる 。経営理念の意義を定量的に検討するためには、共通の指標が必要となるが確たるものがないのが現状である。本研究では多種多様な各社の経営理念の中から中心となるメッセージ「コア理念」を抽出して指標化を試みた。2020年度は上場企業売上高上位100社と下位100社のコア理念の比較、業績指標、財務格付け指標との関係を確認した。2021年度は分析の精緻化を進めるために、上場企業売上高上位100社と下位100社に加えて、中位100社のデータも取得し分析した。結果の考察は2022年度に実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
創造性思考三位一体理論に関しては、論文にまとめて海外のジャーナルに投稿。2021年度末にアクセプトされたが、校正中で公刊は2022年度となる。この論文が今後の研究のベースとなるため、ようやく次の段階の研究に進める状態となった。 今年度は、創造性思考三位一体理論の論文執筆、投稿にかなりの時間を費やしたため、経営理念研究に時間を割く余裕があまりなく分析と考察、論文執筆を2022年度に持ち越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
創造性思考三位一体理論の研究については、アクセプトされた論文の2022年度公刊を目指して校正等の最終調整を実施する。その後、今後の研究の方向性を検討しなおす予定である。経営理念研究については、引き続き分析をおこない、論文にまとめて投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大防止のため、移動による学会出張、研究出張がなく、すべてオンライン開催となり、旅費が発生しなかったこと。
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