2018 Fiscal Year Research-status Report
中小製造企業の自主独立型企業への脱皮のための他社との技術関係性構築に関する研究
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18K01827
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Research Institution | Japan University of Economics |
Principal Investigator |
櫻井 敬三 日本経済大学, 経営学部(渋谷キャンパス), 特任教授 (30592448)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中小製造企業 / 自主独立型企業 / 市場適応 / 市場創造 / 限定的深化 / 限定的進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
25社のインタビュー調査を終了した。2つの知見を見つけることができた。技術的側面の深化や進化は、①中小製造企業経営者の広範な技術の将来性を加味した洞察力によるところが大きいこと、②そのきっかけは必ずしも過去・現在の大手取引先や当面の克服技術の支援機関(大学・工業試験場など)からの情報ではないことである。また市場的側面の侵化や伸化は、現状までの調査結果からは明確な差異を見つけ出せていない。 筆者は、当研究の主眼である企業発展の可能性の高い中小企業群とは対極にある、現時点で最も革新性・拡販性とは無縁と思われる伝統産業企業とのインタビュー調査を新たに進めている。その理由は2つある。1つはすでに200年以上の年月を生き抜いた企業群や先代・先々代まで遡る60年以上の歴史を持つ中小企業が生き続けることができた道程を明らかにすることで、当初の本研究目的を明らかにするために新発見が可能ではないかとの仮説に基づき実施しているところである。 今後、当初計画に従って、中小製造企業の調査を継続実施していくと共に、その対極にある企業群(伝統産業企業(過去成功体験を持つ企業)とベンチャー企業(直近成功体験を積みつつある企業)もインタビュー調査していく予定である。そうすることで、新たな知見を見つけ出せると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究の当初計画のインタビュー調査先の内、25社の訪問を実施できた。さらに現在、調査済み中小企業との対局にあると想定される伝統産業企業のインタビュー調査を新たに5社実施した。これらインタビュー調査結果からの新たな知見を整理中である。さらに、伝統産業企業の調査先を探しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
現市場の現技術を基とした中小製造企業群と過去において勝ち得た市場と優れた技術とを持った伝統産業企業との比較からの知見を基に、当初の目的である中小製造企業の自主独立型企業群が持ち合わせるべき資質や知恵などのノウハウの明確化していく。そのため当初計画に従って、中小製造企業の調査を継続実施していくと共に、その対極にある企業群(伝統産業企業(過去成功体験を持つ企業)とベンチャー企業(直近成功体験を積みつつある企業)もインタビュー調査していく予定である。そうすることで、新たな知見を見つけ出せると考えている。
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Causes of Carryover |
昨年度は当初予算よりも少額にて研究を実施できたので、次年度に研究開発費を繰り越し今年度活動を充実させる。
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