2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K01828
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高浦 康有 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (00340216)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 復興 / CSR / SDGs / 企業の社会的責任 / 持続可能な開発 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は復興CSRの延長にあるものとしてSDGs(2030年に向けた国連・持続可能な開発目標)への企業の取り組みを中心に考察した。SDGsの各目標の中でもレジリエントな社会構築やコミュニティづくりに係る目標の推進は防災・減災を押し進める復興CSRのテーマと重なるところがあり、被災地企業が蓄積してきた実践知をどうグローバル・レベルで展開していくべきかが問われている。こうした課題意識を以て調査研究に取り組んだ。春に開催された日本経営倫理学会年次大会(東京工業大学、2019年6月23日)ではSDGs経営事例に関するセッションにコメンテーターとして参加し、日本企業のSDGs活動の最先端の動向について報告者とともに議論を交わした。また秋に開催された仙台防災未来フォーラム(仙台市)では市民参加セッション「SDGsと仙台防災枠組の関係:世界共通のものさし SDGsからみえてくる防災と減災」(一般社団法人SDGsとうほく主催、2019年11月10日)にてコメンテーターとして登壇し、地域企業の防災・減災の取り組みとSDGs理念に基づく経営との関連性について報告した。そして冬に刊行された東北大学経営学グループ(共著)『ケースに学ぶ経営学 第3版』(有斐閣ブックス、2019年12月)においては第15章「ビジネスの倫理:JR西日本の新幹線台車亀裂トラブル」にてCSRの基本的考察を行い、第16章「ソーシャル・ビジネス:アスヘノキボウによる協働のまちづくり」(西出優子著)においては「復興とSDGs」をテーマにコラムを執筆しSDGsとの概念関係の整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
企業のSDGs対応を軸に国内企業を対象により発展的な研究の方向性がつかめたが、本務校の委員会業務等の多忙により研究論文の作成や海外比較調査研究があまり進んでいないなど、課題は多く、理想的な進捗状況ではない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ソーシャルセクターに関する入門書を他大の先生方と共同執筆しており、復興CSR及びSDGsをテーマとした章をとりまとめ本年度中に刊行予定である。海外比較調査研究については新型コロナウィルス感染症拡大の終息が見通せないこともあり、年度内の海外出張や渡航調査の実施などは困難と思われるが、文献収集等できる限りのことは進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本務校における委員会業務の繁忙等で十分な研究調査の時間確保ができなかったこと、また年度末に米国企業調査を予定しながら、新型コロナウィルス感染症管理強化の懸念から渡航を取り止めたことなどが理由です。翌年度、海外調査研究については同感染症拡大の影響により引き続き実施困難が予想されますが、適宜、国内調査研究を強化するなど代替策を講じることで、計画的な助成金の執行に務めたいと存じます。
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Remarks |
上記に仙台防災未来フォーラム・セッション「SDGsと仙台防災枠組」総括コメントを掲載
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