2020 Fiscal Year Research-status Report
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18K01832
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岸 保行 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50454088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜松 翔平 成蹊大学, 経済学部, 准教授 (00751257)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本酒 / Sakeの輸出 / Covid19 / 国内市場と海外市場 / 現地生産 / グローバルサプライチェーン |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、まずは2019年度に実施予定としていた国内外でのフォローアップ調査を予定していたが、2020年度も年度の頭からCovid19の感染拡大が継続的に生じたため、対面での調査が難しく、一部ZOOMやメールをもちいた非対面式での調査を実施したものの、予定していたすべての調査を完了することができなかった。今年度は、Covid19の感染拡大という非常事態の発生により、日本酒業界も大きな打撃を受けたため、急遽、日本酒の輸出商社や国内の酒販店、さらには新潟県内の酒蔵へのCovid19の感染拡大による市場の変化に関する調査をおこないながら、環境の変化の中でどのように輸出をおこなっているのかについて調査を実施した。とりわけ、予定していた海外調査は一切実施することができなかったため、海外の情報はメディアを通じて収集したり、国内の酒蔵、輸出商社へのオンライン調査で情報を収集するように努めた。今年度は、一年を通じて調査を十分に実施することができなかったため、1年目、2年目に実施した調査内容に基づいて、調査論文や学会発表をおこないながら、データの整理をおこなってきた。学会発表では、ナショナルブランドと小規模蔵元の違いや、ワインの輸出戦略との比較など研究を今後さらに継続して深めていくための貴重なコメントをもらうことができた。また、日本酒をアカデミックな観点から研究してる研究者は国内で限られているなかで、学会発表等を通じて、日本酒研究に興味を抱く研究者と繋がることができ、日本酒研究に興味をもつ方々との研究会を新たに発足したりさせながら、新しい日本酒の研究者ネットワークを創り上げ、研究をさらに深めるための基盤の形成をおこなうことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度もCovid19の感染拡大が収束しなかったため、予定していた調査を対面で実施することができなかった。その代わり、一部の調査は非対面式で実施し、出来る限りの調査の実施及びデータの収集に努めたが、予定していたすべての調査を完了することができなかった。しかし、研究計画には記載していなったCovid19という大きな環境の激変のなかで、酒蔵がどのような組織行動をおこなうのかといった新たな研究の側面について酒蔵組織や酒販店などへのヒアリングを実施し、新しい視点を得ることはできた。また、国内外での調査を十分に実施することができなかった分、オンラインの研究会を頻繁に開催し、これまでの研究の纏めや理論化、さらにはこれまでの調査データをまとめた調査論文の執筆の時間をとることができた。また、酒蔵組織、清酒産業の企業行動に関するプライベートな研究会を立ち上げ、酒蔵組織の企業行動に興味をもつ研究者のネットワーク形成ができたのは、調査を十分におこなうことができなかった中でも、大きな収穫となった。定期的なオンライン研究会を開催しながら、本研究プロジェクトについてのコメントをもらいながら、研究の深化をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、Covid19の影響で当初予定していた3年間では完逐できなかった調査および本研究プロジェクトのまとめをおこなう予定である。一年間の延長申請をおこない研究延長の許可を受けたため、まずはこの一年間でこれまでのフォローアップ調査を実施する。Covid19の影響は今年度も継続することが容易に予想されるため、すべて非対面での実施を予定している。一部、新潟県内の調査については対面も交えながら、基本的にはすべて非対面で残りの調査を行う予定である。海外調査は、今年度も引き続き実現が難しいため、既存の資料や国内の酒蔵・商社への調査で海外の情報を得る予定である。また、今年度が研究期間の最終年度となるため、これまでの調査結果のまとめをおこなう。3年間にわたり、調査論文の執筆や国内外の学会での研究発表を継続しておこなってきており、それらの断片的な調査研究の成果を纏め上げる作業をおこなう。そのため、今年度は、研究分担者および前年度に形成した日本酒研究のプライベートなネットワークを活用して、研究会を頻繁に開催し、これまでの知見を統合し、日本酒の海外市場での浸透メカニズムに関する研究報告書を纏め上げる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、Covid19の影響で予定していた国内調査・海外調査ができなかったためである。国内調査は、一部、オンラインでの調査を実施することができたが、海外調査は一切実施することができなかった。次年度は、Covid19の影響を鑑みながら対面での調査をどの程度実施していくか決めることになるが、基本的には非対面での調査を念頭におきながら可能な範囲で対面調査を入れ込んで調査を実施する予定である。
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