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2021 Fiscal Year Research-status Report

日本酒の海外市場での浸透メカニズム

Research Project

Project/Area Number 18K01832
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

岸 保行  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50454088)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 浜松 翔平  成蹊大学, 経済学部, 准教授 (00751257)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords日本酒 / 伝統産業 / 伝統の保持と革新 / Covid19 / 情報の生成・流通・消費 / 日本食レストラン / 海外市場 / 日本酒の輸出
Outline of Annual Research Achievements

2021年度は、引き続きCovid19の影響を受けて当初予定していた中国・東南アジアでの調査が出来なかったため、主に国内の酒蔵のオンラインイベントやCovid19という環境が変化するなかでの海外市場に対する輸出のための取り組みを調査した。今年度の具体的な研究の実績としては、主に次の3点を挙げることができる。①米国調査(特にサンフランシスコとロサンジェルス)での結果を整理し、研究分担者と共著で論文の執筆をおこない発表している。さらに国内調査の分析結果をまとめて論文化している。また、これまでの研究の成果を国内学会で発表した。②新潟県酒造組合の協力を得て、米国・フランス・台湾の酒卸業者、レストラン関係者への調査を実施し今後の輸出拡大のための計画を共同で策定した。③Covid19の影響を受ける中で国内の酒蔵がどのように輸出をおこなっているかについてのヒアリング調査を実施した。①では、米国での日本酒の普及に商社が果たした役割を分析した。米国では韓国人や中国人が日本食レストランのオーナーであるケースが多数見られたが、その背景には日本の輸出商社があらゆる「和財」を提供する役割を担ってきたからであるとの仮説を提示した。また国内学会での発表では、製品適応を輸出側が実施するか輸入側がおこなうかで、どのような伝統保持への影響が生まれるかを情報生成と消費の観点から研究発表をおこなった。②では新潟県酒造組合と連携して、米国・フランス・台湾の日本酒輸入関係者(卸・インポーター・ディストリビューター)やレストン関係者へのヒアリング調査(委託にて実施)をおこない今後の輸出拡大に向けた各国日本酒関係者の意見を聞いており詳細な分析を現在おこなっているところである。③については、Covid19の影響下のなかでも日本酒の輸出額は増加しており、その背景を新潟県の酒蔵にヒアリングをおこなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

Covid19の影響で、当初予定していた海外調査が予定通り実施できていない点はあるものの、他方でこれまでおこなってきた調査結果をまとめながら順次論文化や学会での発表をおこない、研究結果のアウトプットを順調におこなっている。また、Covid19で輸出環境の状況が大きく変化した側面があるため、当初の計画には無かったCovid19の影響との関連でどのような輸出のアクションが取られているかなどについて、本研究課題の情報の生成・流通・消費の側面から、国内での再調査をおこなっている。一部、当初予定していた海外調査が出来ていない側面はあるが、新潟県酒造組合との連携を基盤にしながら、輸出に関する国内調査活動を継続的に進めてきている。

Strategy for Future Research Activity

今後は、これまで蓄積してきた調査データ(海外の生産拠点での調査や国内での酒蔵や流通へのヒアリング調査)を整理・分析しながら継続して調査成果を発表していく。また、Covid19がある程度落ち着き、海外調査が可能になれば、これまで未実施であった海外調査を実施する。また、この2年間でのCovid19の影響を受け、海外でも小売りでの消費や越境ECでの日本酒輸出の拡大がみられるようになってきているため、Covid19という環境変化の中で、どのような情報を生成しながらどのようなアクターと連携して日本酒輸出の拡大を目指しているか、さらには海外の消費現場ではどのような消費傾向が見られるようになっているのかを、Covid19の影響との関連で調査していく。同時に、これまでの調査結果をまとめていく過程で、次に繋がる仮説を見つけ出す作業をおこなっていく。特にこれまでの調査結果からは、どのように歴史や伝統といった日本酒がもつ歴史の情報を活用していくのかが重要である点が見えてきた。ワインやビール、ウィスキーの成功事例を学びながらも、日本酒が独自に有する情報を上手に活用しながら伝統保持を実現しつつも革新してく点は、従来までの伝統の保持と革新という古くて新しいテーマであるが、日本酒の海外展開では、この点を考慮した十分な研究蓄積がなされているとは言い難いため、今後は歴史の情報をどのように生かしながら産業の革新を図っていくかという大きな問いを持ちながら研究を継続していく。

Causes of Carryover

当初予定していた海外調査がCovid19によって未実施であり、その分が次年度繰り越しとなっている。Covid19の状況によっては国内での調査に切り替えたり、オンラインでの調査をおこなったりして工夫しながら調査研究を継続する。

  • Research Products

    (7 results)

All 2022 2021

All Journal Article (5 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 地域に宿るダイナミック・ケイパビリティ : 山形県酒造組合による「GI山形」の取得過程と地域の変容2022

    • Author(s)
      庄司義弘、岸保行
    • Journal Title

      新潟大学経済論集

      Volume: 112 Pages: 87-106

  • [Journal Article] 「淡麗辛口」の誕生 : “オール新潟路線”が生み出した新潟清酒のアイデンティティ2021

    • Author(s)
      湯田浩司、岸保行、曽國哲
    • Journal Title

      新潟大学経済論集

      Volume: 111 Pages: 53-76

  • [Journal Article] 日本酒の経験価値マーケティング : 「吉乃川カヨイ」の伝統的慣習の再興をケースとして2021

    • Author(s)
      石塚千賀子、岸保行、曽國哲
    • Journal Title

      新潟大学経済論集

      Volume: 111 Pages: 39-51

  • [Journal Article] 日本食レストランの海外普及におけるアソートメント・コーディネーターの役割 : 米国における日本食品卸売商社の日本酒流通の事例から2021

    • Author(s)
      浜松翔平、岸保行
    • Journal Title

      成蹊大学経済経営論集

      Volume: 52(1) Pages: 89-102

  • [Journal Article] 文化製品の国際展開における製品適応の実施国2021

    • Author(s)
      岸保行、岸本太一
    • Journal Title

      組織学会大会論文集

      Volume: 10 (1) Pages: 130-135

  • [Presentation] 文化製品の国際展開における製品適応の実施国2021

    • Author(s)
      岸保行、岸本太一
    • Organizer
      組織学会
  • [Book] 日本酒学講義2022

    • Author(s)
      日本酒学センター
    • Total Pages
      328
    • Publisher
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623093182

URL: 

Published: 2022-12-28  

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