2022 Fiscal Year Research-status Report
サイエンスが浸透した社会におけるイノベーションの理論基盤の整備と経験的研究
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18K01836
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松嶋 登 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10347263)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 物質性 / 価値評価研究 / 異種混淆エコシステム / イノベーション / サステイナブル・ツーリズム / 新しいライフスタイル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,昨年度に計画した三点の計画に基づいて研究を推進してきた.第一に,理化学研究所の石川哲也センター長他との研究会については、コロナの影響により一堂に介したシンポジウムを開催することはできなかったが、オンラインで研究会を開催し、自然科学と社会科学を超えた学問的連携の必要性を確認した。第二に、2020年度より新たな展望を開拓してきた価値評価研究に関しては,大著となる編著を出版するための大型予算を獲得することはできなかったが、2022年6月12日に現代経営学研究所ワークショップ「価値評価研究への誘い」を開催し、さらに鍵となる物質性および遂行性概念が収録された編著『創造する経営学(経営学史叢書 第二期 ⑦創造性)』を発刊し、最新理論である物質性概念を経営学の古典的研究から現在に至る議論の中に位置付けた。第三に、地域社会や自然環境を含んだ異種混交エコシステムについては、神戸市を対象としたカーボンニュートラル社会の実現を目指した地域イノベーションに関わるアクション・リサーチに着手した他に、オーストラリアのクイーンズランド大学から2022年9月から2023年1月にかけて本学に招聘したMonica Chein氏とはサステイナブル・ツーリズムについて、2023年1月にニュージーランドのマッセー大学から本学を訪問したWayne Macpherson氏とはニュージーランドのウェルビーイング政策の課題やポストコロナの新しいライフスタイルに関する意見交換を行い、将来的な国際共同研究の下地を作成できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第一に、理化学研究所との開催を予定していたシンポジウムは、コロナ禍の影響によって実現することができず、代替するオンライン研究会を開催することになった。 第二に、価値評価研究については、大著となる編著を出版する大型予算を獲得することができなかったが、中心的概念である物質性概念に関する経営学の学説研究に関する論考が収録された編著を発刊するとともに、編著の発刊で予定していた研究協力者もそれぞれに単著を発刊することができた。 第三に、異種混交のエコシステムに関する経験的研究および国際共同研究については、コロナ禍の影響によって海外渡航が叶わなかったが、2022年度後半からはオーストラリア・クイーンズランド大学の共同研究者を本学に招聘したり、ニュージーランドからの研究者の訪問を受け入れることができ、来年度の海外渡航に向けた準備を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下の三点について研究を推進していく。 第一に、自然科学と社会科学を超えた学問的連携について、自然科学を模した実証主義と社会科学独自の解釈主義という二分法的な把握を超えた検討を、自然科学の研究者との議論を通じて深め、経営学の新たな方法として『国民経済雑誌』の特集号を編纂する予定である。 第二に、サステイナブル・ツーリズムおよび脱炭素型ライフスタイルについて、国際共同研究を推進する。具体的には、サステイナブル・ツーリズムに関しては、ツーリズムに関する世界的な研究機関であるオーストラリア・クイーンズランド大学のMonica Chien氏との共同研究を進めつつ、研究成果を教育活動に反映するために、本学の大学院教育(異分野共創型卓越人材育成プログラム(KIMAP in Management))とも連携していく予定である。 第三に、脱炭素型ライフスタイルに注目した異種混交のエコシステムとして、具体的な地域社会を対象としたアクション・リサーチに関わっていく。具体的には、防災林である六甲山およびその周辺の里山整備を担う人材を育成しつつ、地域の魅力と質の向上をつうじた活性化という神戸市が抱える課題について、文理融合の研究体制を探究しつつ、ニュージーランド・マッセー大学のWayne Macpherson氏らと国際比較を行うとともに、大学外部との多様な民間団体との連携活動を通じたイノベーション創出に関するアクション・リサーチを推進していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために当初予定していた海外渡航ができなかったために繰越が発生している。 差額は、海外旅費および海外渡航に必要な物品として、フィールド調査の写真が撮影でき、通信が可能なSIMフリー端末の購入などに支出する。また、国際比較を含む国内でのアクション・リサーチに関しても、国内旅費および書籍および消耗品を購入する必要がある。 なお、必要に応じてリサーチ・アシスタントを雇用するために、謝金および業務に必要な備品・消耗品を購入する。
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Research Products
(3 results)