2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a theoretical foundation for innovation in a science-permeated society and empirical research
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18K01836
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松嶋 登 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10347263)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学問連携 / サステイナブル・ツーリズム / 異種混交のエコシステム / アクション・リサーチ / 文理融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、以下の三点について研究を推進してきた。 第一に,自然科学と社会科学を超えた学問的連携について,自然科学を模した実証主義と社会科学独自の解釈主義という二分法的な把握を超えた検討を,自然科学の研究者との議論を通じて深考してきた.その上で,経営学の古典的研究を再訪し,その方法論的含意をまとめた論考を発表した. 第二に,サステイナブル・ツーリズムおよび脱炭素型ライフスタイルについて,国際共同研究を推進してきた.具体的には,サステイナブル・ツーリズムに関して,ツーリズムに関する世界的な研究機関であるオーストラリア・クイーンズランド大学のMonica Chien氏との共同研究を進め,研究成果を教育活動に反映するために,本学の大学院教育(異分野共創型卓越人材育成プログラム(KIMAP in Management))とも連携した活動を行ってきた. 第三に,脱炭素型ライフスタイルに注目した異種混交のエコシステムとして,具体的な地域社会を対象としたアクション・リサーチに関わってきた.具体的には,防災林である六甲山およびその周辺の里山整備を担う人材を育成しつつ,地域の魅力と質の向上をつうじた活性化という神戸市が抱える課題について,大学外部との多様な民間団体との連携活動を通じたイノベーション創出に関するアクション・リサーチを推進してきた. 本研究期間全体を通じて,本研究では,サイエンスが浸透した社会におけるイノベーション・マネジメントという研究テーマを通じて,当初の目的としてきた3つの成果を達成できた.第一に,最先端のサイエンスに踏み込んでいく文理融合型のアプローチである.第二に,アクション・リサーチを通じた研究成果の積極的な社会還元である.第三に,研究テーマの理論的視座と支える幅広い理論研究と経営学の温故知新である.
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