2019 Fiscal Year Research-status Report
A study on the turnover of Employees with either Bachelor's Degrees or Master's Degrees in Early Stage Career Development
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18K01837
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
本庄 麻美子 和歌山大学, 経済学部, 講師 (40379607)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 早期離職 / 大卒初期キャリア / 就職活動 / RJP / RS(リアリティ・ショック) |
Outline of Annual Research Achievements |
日本は労働者人口が激減することが予測される今,雇用側が中長期的な視点で若者の職場定着を真剣に見直すときにきている。大卒初期キャリアの早期離職は,雇用する側にとって大きなマイナスである。本研究は,雇用される側,雇用する側双方の視点から大卒初期キャリアの早期離職を極力少なくするにはどうすればいいかを明らかにし,雇用される(個人)側,雇用する(組織)側,雇用される側を支援する(大学・政府・自治体等)側各々の具体的施策を提案することを目的としている。 大卒初期キャリアのアンケート調査と実際の早期離職者インタビューに基づき,学生時代の就職活動時の活動量・満足度と入社前のRJP,入社後のリアリティ・ショックに着目し,現況を把握し課題を整理する。特に採用手法が異なるといわれている文系/理系の軸,女性活躍推進法が施行され男女共同参画時代となった今,男性/女性の性差軸で早期離職行動に違いがあるのかどうかについても検証する。 平成30年度は先行研究のレビューはある程度できた。職務上において、企業人事担当者とは複数意見交換をし、複数の早期離職した卒業生からキャリアカウンセリングの中でヒアリングができた。それに基づき、質問項目に関して時間をかけて検討し設定を行った。また、大卒初期キャリアのアンケート調査に関しては、平成31年1月に本務校社会人3年目卒業生対象にWEB調査協力を依頼し36件を回収。調査会社へも併せて依頼し、社会人3年目を対象として文理、男女バランス良く517件を回収した。 平成31年度は引き続き、大卒初期キャリアのアンケート調査に関しては、令和2年1月に本務校の社会人3年目卒業生対象にWEB調査協力を依頼し40件を回収。調査会社へも併せて依頼し、社会人3年目を対象として文理、男女バランス良く520件を回収した。平成30年度と併せて1,037件を対象に今後分析を進めていくことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)社会人3年目を対象としたアンケート調査を実施する(平成30年度~31年度)。 本務校の社会人3年目卒業生(約350名)を対象に、年賀ハガキでQRコードを告知しWEB調査協力依頼を実施。2年連続で行う。サンプル数各100回収を目指す。それに加え、調査会社へも協力を依頼し、社会人3年目を対象として文理、男女バランス良くサンプル数各300回収を目指す。 →本務校の社会人3年目卒業生を対象としてWEB調査協力を依頼。合計100サンプル回収が目標であったが、平成30年度36サンプル、平成31年度40サンプルで計76サンプルと目標までは回収できなかった。しかし、調査会社へ協力を依頼し、社会人3年目を対象として文理、男女バランス良く平成30年度517サンプル、平成31年度520サンプル、計1037サンプルを回収できた。 (2)総数800のデータ分析を行う。分析より特徴がみられた早期離職者にインタビューを10例追加で行い具体的な課題を明らかにし,早期離職者にみられる課題の共通点と早期離職年次別(1,2,3年目),文理別,性別の相違点を浮き彫りにする。早期離職者が特に少ない企業を追加で10例ヒアリングし、共通点を探る(平成31年度後半~令和2年度前半)。 →サンプル総数1,037のデータ回収が完了した。データ分析前に早期離職者3例のヒアリングは実施できたが、早期離職者に対しても企業に対しても、2~3月に行う予定だったインタビューが新型コロナウィルスの影響で実施ができなくなり、質的調査が全く進んでいない。早期離職者にみられる課題の共通点と早期離職年次別(1,2,3年目),文理別,性別の相違点に関して、記述統計で大枠の把握ができたので、今後は具体的な分析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)サンプル総数800のデータ分析を行う。分析より特徴がみられた早期離職者にインタビューを10例追加で行い具体的な課題を明らかにし,早期離職者にみられる課題の共通点と早期離職年次別(1,2,3年目),文理別,性別の相違点を浮き彫りにする。早期離職者が特に少ない企業を追加で10例ヒアリングし、共通点を探る(平成31年度後半~令和2年度前半)。 →予定以上のサンプルを回収できたため、今後は具体的な分析を行っていく。 質的調査に関しては、新型コロナウィルスの影響次第にはなるが、状況が改善されたら企業対象に半構造化インタビューを実施していきたい。 (2)日本における学生の就職活動のあり方,またその支援する側への企業の採用手法や職場定着のため雇用管理施策のあり方について,提言をまとめる(令和2年度後半)。 →量的調査に関して取りまとめ、上記を今後推進していく。新型コロナウィルスの影響で、発表予定であった日本キャリアデザイン学会開催が令和2年度中止となったため、発表場所を再検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
令和2年2~3月に実施予定だった質的調査が、新型コロナウィルスの影響で実質全くできなかった。今後、その影響がどのくらい長引くかは計り知れないが、質的調査が可能となった際は旅費として使用する予定である。
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