2019 Fiscal Year Research-status Report
将来,企業による不祥事・大惨事を繰り返さないために文化を超え学習する方法論の構築
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18K01838
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
築達 延征 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (50255238)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 企業の社会的責任 |
Outline of Annual Research Achievements |
企業による不祥事・大惨事が繰り返されている。不祥事・事故が起こるたびに,企業倫理及び企業の社会的責任論,組織論,安全学等で個別に分析・研究がなされてきた。しかしながら,実務においては,その知識が学習されてないのではないかという「問い」にもとづき本研究を始めた。国際学術誌・国際機関も,原発事故を社会科学的に研究し,警告してきたのに,なぜ,チェルブイリ級の事故を先進技術・科学立国であるはずの日本で繰り返したのかと批判している。本研究においては,企業不祥事・惨事を繰り返さぬために,「過去の実践」から現在・将来への実践への学習理論の発展を目指す。 本年度は、研究1として、昨年度に行った企業・組織による不祥事・大惨事に関する先行研究・事例の調査結果を論文化した。研究1の成果をAcademy of Management Conferenceで発表すべく、査読審査に投稿した。審査を通過したため、8月にアメリカのボストンで開催された大会で成果を発表した。 その後、文化を超え学習する方法論の構築を着想した。その資料収集のため、アメリカの大学の図書館に赴き、文献調査を行った。具体的には、企業による不祥事・大惨事からの学習可能性に関する文献のクリティカル・レビューとして、 学習 (learning) もしくは反省性 (reflexivity) を促す研究に着目した。さらに、越文化学習の先行研究についてもクリティカル・レビューを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果として、Academy of Management Conferenceの査読制を通過し、8月にアメリカのボストンで開催された大会で成果を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に記載した研究2の「企業による不祥事・大惨事を越文化的に学習するための方法論」の構築を進めるとともに、ケーススタディーの普遍化の可能性を探究する。Academy of Management Conference(カナダ、バンクーバー開催)等の査読制審査にも投稿し、審査を通過した場合には、報告する。ただし、2020年5月の時点でコロナウィルス感染拡大の影響下、日本からの海外渡航・カナダ入国が困難となっている。参加・発表方法等については、主催者の決定・発表を待ち、それに従う。
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Research Products
(3 results)