Diversity management of small and medium-sized enterprises: Approach by triangulation

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K01844
• Research Institution: Seigakuin University
• Principal Investigator: 八木 規子 聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (20817382)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 古谷野 亘 聖学院大学, 心理福祉学部, 特任教授 (90150747)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: ダイバーシティ / 質的研究 / 中小企業 / 外国人 / ジェンダー

Outline of Annual Research Achievements

令和３年度は、質的データのコーディングを中心に進めた。コーディングの方向性は、昨年度に得られた、この職場に存在する「働く場面」の分類と、その場面ごとに従業員が「こだわること」「重視すること」を用いることとした。このコーディングから、しばしばネガティブに捉えられがちであるダイバーシティ属性を、ポジティブに捉えられるようになる条件・要因を明らかにすることに取り組んだ。途中経過として、「責任を伴う職務を遂行する」「ほかの従業員と協力する」という2つの働く場面が浮上した。そして、それぞれの場面において「こだわること」「重視すること」が、従業員の属性によって異なることが明らかになった。
こうした結果を量的研究の研究分担者と共有し、アンケート設計に着手した。しかしながら、アンケート調査の実査は、令和3年度も新型コロナウイルス感染症が収束しなかったことから、実施できなかった。
さらに、平成30年度に案出した「複数のダイバーシティ属性の境界を組織成員がどのように認識しているか」また「個人を複数のダイバーシティ属性の複合体としてみる」というexperience-distant概念をリファインするべく、先行研究論文、書籍のレビューを続けた。このレビューの成果と、上述の「働く場面」において「こだわること」「重視すること」が従業員の属性によって異なるというコーディング結果を併せて、令和４年度以降、投稿論文にまとめられるよう、準備を進めたところである。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

調査協力会社は食品関連企業であり、事業遂行上、感染症対策に関して非常にセンシティブである。令和3年度も新型コロナウイルス感染症の収束は叶わず、むしろ変異株の出現という新しい事態が生じた。このことから、計画していた量的研究に使う設問を補強するための追加インタビュー、また、量的研究のアンケート調査の実施は、断念せざるを得なかった。これに伴い、研究の遂行は、既収集の質的データの分析と文献調査を中心に進めることとなった。

Strategy for Future Research Activity

令和４年度に入り、新型コロナウイルス感染症との共存という新しい方向性が浮上してきた。この機を捉えて、量的研究のアンケート調査の実施を目指す。最終年度であることから、量的研究に使う設問を補強するための追加インタビューは、今回は見送ることとする。量的研究のアンケート調査の設計は、既収集の質的データの分析に基づいて得られた項目によって行う。アンケート実査は令和４年9月に実施できるよう、調査協力会社と交渉に入る。これは、データ分析を年内に済ませるためである。令和５年明けから、これまでの研究成果を報告書にまとめる予定である。

Causes of Carryover

令和３年度もコロナ禍の影響を受け、調査協力会社での量的研究に使う設問を補強するための追加インタビュー、また、量的研究のアンケート調査の実施を断念した。研究活動は、既収集のデータ分析と文献調査にとどまったため、次年度使用額が生じた。令和４年度は、アンケート実査を実施し、その調査結果分析、そしてこれまでの研究成果を取りまとめた報告書作成のために助成金を使用する計画である。