2021 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Analysis of Organizational Capabilities to Perform Successful Alliances
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18K01845
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
安田 洋史 青山学院大学, 経営学部, 客員教授 (90588542)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アライアンス能力 / 組織学習プロセス / 組織ルーチン / アライアンス成果 / アライアンス経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアライアンスを成功させる組織能力(アライアンス能力)とは何か、その能力を構築するうえで知識マネジメントプロセスがどのような役割を果たすか、さらにそのようなプロセスを組織内でルーチン化するためにはどのような仕組みを設ける必要があるか、などについて実証的に明らかにすることを目的としている。前年度までの研究で、(i)アライアンスを成功させる組織能力は先取力、適応力、調整力、学習力の4つの力から構成されること、(ii)このような能力は、アライアンスの経験から得た知識・ノウハウを表明化、形式知化、共有化、内部化から成る知識マネジメントプロセスを通して蓄積することで向上すること、(iii)このプロセスを組織内でルーチン化するためには、組織体制、ツール、イベント、社外連携などの仕組みを設けることが有効であること、などの知見が明らかになった。当初は本年度に、これらの知見を検証するための実地調査を米国および英国企業を対象として行うことを計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため渡航ができなくなり、方針を変更して日本国内での質問票調査によって代替することとした。調査は2021年8月に日本企業2286社に対してオンラインで実施し、626社から回答を得ることができた。収集したデータを分析してモデルの検証を行い、アライアンス能力、知識マネジメントプロセス、アライアンス経験、ルーチン化の仕組みなどの諸概念の間に、一定の因果関係があることを確認することができた。これらの成果について、2021年9月にオンラインで開催された国際会議(British Academy of Management)において報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は一昨年(令和二年)に米国企業と英国企業を対象とした実地調査を行うことを予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で渡航ができなくなり、この調査を昨年(令和三年)に延期するように研究計画を変更した。しかし昨年も引き続き感染状況は改善せず、実地調査の実施は困難であったため、調査方法や分析方法を見直さざるを得なかった。また本研究を纏めるうえでは、分析結果やその解釈について国際学会の場で同じ分野の研究者と意見交換を行うことが必要であるが、学会がオンライン開催となったためそのような機会がいまだ実現していない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は国際学会に参加して研究者との議論を行い、その結果も考慮しながら研究成果を纏める予定である。併せて本研究の将来的な発展方向も検討していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため渡航ができなくなり、当初の計画で予定していた海外での実地調査や学会参加が実施できなくなったため、それらの予算を翌年度に持ち越した。
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Research Products
(2 results)