2022 Fiscal Year Annual Research Report
Searching for new business areas utilizing existing technologies and searching for new technologies using knowledge of existing business domains
Project/Area Number |
18K01849
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
水野 由香里 立命館大学, 経営管理研究科, 教授 (80453463)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 技術 / 探索 / 活用 / 創発戦略 / レジリエンス / 経験サンプリング法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1)Resource-based view of the firmに依拠した創発戦略の策定プロセスを検証して日本企業の創発戦略を再考すること、2)企業がそれまで蓄積してきた知識や情報、技術などの保有資源を十全に活用して、いかにして新たな事業領域を創出するのかの論理を導出すること、3)その「きっかけ」や「転機」をマネジメントする方法を検討することにあった。これらの研究課題に対しては、研究の進捗状況を国内外の学会で報告し、そこでのフィードバックを踏まえて、2018年と2019年には、それぞれ研究書を上梓した。 これらの研究活動を通して、新たに着目したことは、創発戦略でしばしば指摘される「現場」や、具体的業務を担い手となるミドルマネジャーを含めた従業員の意識と行動であった。そこで、2020年からは、新事業領域の探索と新技術の探索において、よりミクロ的な視点で研究を進めていった。より具体的には、創造的な業務を担う従業員と組織のパフォーマンスに着目したAmabile and Kramer(2011)の追試(replication)を行った。同研究と同様に、協力を得られた企業の従業員に対して、経験サンプリング法を活用して4か月にわたって日誌調査を実施した。日誌調査のデータ分析に関しては、統計分析を追手門学院大学の神吉直人先生に、テキストマイニング分析を滋賀大学の喜田昌樹先生に、協力を得て行った。これらの研究の結果を、日本経営学会の関西部会と全国大会で報告した(3人での共同発表)。さらに、学会報告で得られたフィードバックを受け、3人での共著論文を執筆し、学会誌に投稿した(2023年3月31日現在、査読中)。
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