2019 Fiscal Year Research-status Report
Black Economic Empowerment (BEE) policy and transformation of corporate management in South Africa
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18K01858
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
西浦 昭雄 創価大学, 経済学部, 教授 (00298217)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 南アフリカ / BEE政策 / 企業経営 / コーポレート・ガバナンス / 企業統治 / 格差是正策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、南アフリカ共和国において実施されている黒人経済力強化(BEE)政策が、企業経営をどのように変容させてきたのかという問いに対し、企業統治(コーポレート・ガバナンス)論の視点から解明することである。2019年度については、①南アフリカ3都市での本格的現地調査と②本研究の中間検証を予定していた。 まず、①の南アフリカ3都市での本格的現地調査については、2019年5月に国際シンポジウムで南アフリカのプレトリアを訪れた際、空き時間を利用して政府機関と研究者、計3件へのインタビューを実施することができた。これらは、2019年2月の現地調査の際に連携をとったが時間の調整がつかなかった訪問先であった。さらに、前年度からの継続事項になっていた企業データベースについても手続きが完了し、利用し始めることが可能になった。しかしながら、2020年2月下旬より予定していた南アフリカ3都市での本格的現地調査については、COVID-19の影響で直前にキャンセルを余儀なくされ、計画の変更を余儀なくされた。 次に②に関しては、2019年11月に開催された国際開発学会/人間の安全保障学会2019(共催大会)等において研究発表し、多くのコメントや助言を受けることができた。研究発表の申請、論文提出、質疑応答準備、コメントの取りまとめ作業を通して、本研究の進捗状況を検証し、当初の計画の実行性、新たな課題に対する方策、追加調査の必要性、理論的枠組みづくりを検証する機会となった。 以上のことから、COVID-19の影響で現地調査の実施ができたなかったものの、それ以外については概ね順調に進んだ。2020年度には南アフリカの事情に詳しい研究分担者を追加し、協働して当初の研究目的のための研究を遂行できる体制を組むことにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度については、①南アフリカ3都市での本格的現地調査と②本研究の中間検証を予定していた。 まず、①の南アフリカ3都市での本格的現地調査については、2019年5月に国際シンポジウムで南アフリカのプレトリアを訪れた際、空き時間を利用して政府機関と研究者、計3件へのインタビューを実施することができた。これらは、2019年2月の現地調査の際に連携をとったが時間の調整がつかなかった訪問先であった。さらに、前年度からの継続事項になっていた企業データベースについても手続きが完了し、利用し始めることが可能になった。しかしながら、2020年2月下旬より予定していた南アフリカ3都市での本格的現地調査については、COVID-19の影響で直前にキャンセルを余儀なくされ、計画の変更を余儀なくされた。 次に②に関しては、2019年11月に開催された国際開発学会/人間の安全保障学会2019(共催大会)等において研究発表し、多くのコメントや助言を受けることができた。さらに、2020年5月開催の日本アフリカ学会学術大会においても口頭発表が採択された。研究発表の申請、論文提出、質疑応答準備、コメントの取りまとめ作業を通して、本研究の進捗状況を検証し、当初の計画の実行性、新たな課題に対する方策、追加調査の必要性、理論的枠組みづくりを検証する機会となった。 以上のことから、COVID-19の影響で現地調査の実施ができたなかったが、それ以外については概ね達成したといえる。したがって全体の進捗状況として(3)やや遅れていると自己評価した。COVID-19の影響が長引いた際にはさらなる研究計画の変更を余儀なくされる恐れがあることから、2020年度には南アフリカの事情に詳しい研究分担者を追加し、協働して当初の研究目的のための研究を遂行できる体制を組むことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度には、現地機関・研究者へのヒアリング、企業データベースへのアクセス、本研究の中間検証で進展が見られた。2020年度について当初の計画では、①前年度までに調査の不十分な点を補うための現地調査およびワークショップの開催と、②学術論文や学会発表による研究結果の検証する。さらに南アフリカに2週間強訪問し、補強が必要な項目についての補足調査を行う、ことを予定していた。2020年2月下旬より本格的現地調査を実施し、その際に2020年8月に想定したワークショップの準備することを想定していたが、その訪問中止と、COVID-19の蔓延状況を考えると大幅な計画変更を余儀なくされている。 2020年8月に想定していた現地調査とワークショップは現実的ではないことから、入手した企業データベースと、新たなに加わった研究分担者が南アフリカ製造業への影響についての分析を担当し、協働して研究の深化をはかることで補いたいと考えている。それらを踏まえ、2021年2~3月の期間に南アフリカへの現地調査の可能性を探っていく。 他方、②については2020年5月の日本アフリカ学会学術大会においてオンラインで研究発表し、有益なコメントを受けることができた。秋季についても学会発表等を通した研究成果の検証を継続してく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由については、COVID-19の影響で2020年2月下旬から予定していた南アフリカへの現地調査ができたなかったことが主である。今後の終息状況を見ながら2020年度中には現地調査を実施したいと考えている。また、先行きが見えにくい中、継続して研究するため南アフリカの製造業について豊富な知見を有する新たな研究分担者と協働して研究の深化をはかっていく。
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Research Products
(6 results)