2020 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical framework and empirical analysis on the global strategy of LTC businesses
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18K01862
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小島 愛 立命館大学, 経営学部, 教授 (80513192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風間 信隆 明治大学, 商学部, 専任教授 (60130803)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 介護ビジネス / 国際化戦略 / 新興国 / サービス業 / 市場参入 / 知識 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、内閣府が推進する「アジア健康構想」を背景とした日本企業による介護ビジネスの新興国進出を、国際ビジネスの研究視点から分析することを目的としている。 初年度における中国での介護サービスに対するニーズに関する研究、2年目における製造業や他のサービス業での海外進出に関する考察、およびサービス業における介護業界の位置づけに関する検討に基づいて、3年目には現地調査で得られた知見とデータを活かしつつ、日系の介護サービス会社の中国への市場参入に関するケーススタディー等を行った。 主たる業績としては、介護サービス企業3社を対処とした中国市場参入に関するケーススタディーがある。アプローチとしては、約20年にわたる知識の獲得と資源のコミットメントという観点から3社の一連の市場参入プロセスを考察するために、ウプサラモデルを用いた。考察の結果、研究対象の3社は、より介護サービスへの需要が大きい都市での事業をきっかけとして、中国での医療・介護保険制度の導入を前提としながら、文化や制度、距離の近い大都市での事業に新規参入する傾向にあった。また事業形態についても、都市ごとに異なる医療・介護保険制度の仕組み等に関する知識の蓄積、および現地パートナー企業や関連企業等とのネットワークの維持・拡大とともに、総じて出資額、事業規模の拡大、事業の種類の多様化がみられると明らかになった。 上記を活かしながら、最終年度では引き続き現地調査等を重ね、日系の介護サービス会社がどのように現地化を試みているかに関して、各種理論の実証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年度までと同様、文献調査により中国をはじめとしたアジア諸国における社会保障制度、高齢化対策、現状の介護サービスの提供状況、民間企業の参入可能範囲、日系企業の進出などに関する基礎的な知識をアップデートでききた。研究代表者と研究分担者はヘルスケア・マネジメントおよび国際ビジネスの視点から、日本の介護サービス会社の新興国展開に関する意見交換を重ねた。その上で、学会発表、論文発表等により研究成果の発表も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き日系の介護サービス会社の海外市場への展開に関わる経営分析を行う。日系企業が進出先でどのようにリソースを活用しているか、日系企業が優位性を有する介護サービスを現地国でどのように展開していくかなどにフォーカスする予定である。3年目はコロナ禍で中国での現地調査ができなかった。最終年度には、研究代表者と研究分担者は意見交換を重ね、再度現地調査を行うなどして達成したい。研究成果の発表に関しても、最終年度として更に精力的に国内外での発信を続けたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により中国などでの現地調査が延期となった。これに伴い、旅費と人件費・謝金に充てる予算が使用されなかった。日中の社会情勢が回復次第、現地調査も再開する予定である。
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Research Products
(7 results)