2019 Fiscal Year Research-status Report
学習機会の提供が専門職非正社員の職場継続意思の形成に及ぼす影響に関する研究
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18K01868
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
前田 卓雄 中村学園大学, 流通科学部, 教授 (80719245)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 専門職非正社員 / 学習機会 / 職務意欲 / リテンション |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、質的調査を中心に行い、今年度実施予定の量的調査の測定尺度の検討を行った。具体的には、多様な非正社員を雇用するTG社においてインタビュ調査を実施し、その内容から得られたインプリケーションを基に国際学会(日本言語文化研究国際学術シンポジウム)での発表と論文化を実施した。論文は「日本の伝統家具産業におけるパラダイムシフトに関する研究」として投稿しており、現在査読中である。また、関連する研究である2016年に実施した「学習機会の提供が専門職非正社員の職務意欲に及ぼす影響に関する研究」からは、前田(2018)では、医療・保健・福祉分野で専門職として雇用されている専門職非正社員を対象にOFF-JTの受講者と未受講者を対象に「学習機会の提供」と「職務意欲」に関する実証研究を行っている。この研究では、OFF-JTの受講者の職務意欲は、制度がありながら未受講だった者と制度そのものが無く受講できなかった者それぞれよりも統計的に有意に高かったことを実証している。重回帰分析の結果では、「キャリアコミットメント」とOFF-JT受講後のスキルや知識に対する「変化への肯定的認知」が「職務意欲」に統計的に有意な正の影響を及ぼしていた。したがって、これらの変数のうち、最も説明力、影響力ともに高かったのは、OFF-JT受講後のスキルや知識に対する「変化への肯定的認知」であった。そこでこの研究に用いたデータの二次分析を行い、測定する尺度の検証を行う探索的研究を実施した。その結果、「変化への肯定的認知」と「学習機会の満足度」及び「職務意欲」が「リテンションに」有意な正の影響を及ぼしており、当初の仮説を裏付ける結果が得られている。本年度はこの研究結果を基に量的調査で実証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会発表を通じて、関係する研究者から多くの有益なアドバイスを頂いており、それを基に過去に実施した研究データの二次分析をパイロット研究として行った。その結果、本研究の仮説を支持する結果が得られており本年度の量的調査につながる内容となっている。したがって、現在のところ研究の進捗は概ね順調に推移しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度までのパイロット研究の内容を再検討して測定尺度や研究のフレームワーク等の見直しと再構築を行い、量的調査を実施する。そして、その結果の分析を行って、学会発表、論文化の準備を行う。
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Causes of Carryover |
次年度は量的調査としてインターネットを活用した調査を実施する。
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