2020 Fiscal Year Research-status Report
学習機会の提供が専門職非正社員の職場継続意思の形成に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
18K01868
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
前田 卓雄 中村学園大学, 流通科学部, 教授 (80719245)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 専門職非正社員 / 学習機会 / 職務意欲 / リテンション / 媒介効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究では、前田(2018)が行った研究データの二次分析を行った。この研究は、医療・保健・福祉分野で専門職として雇用されている専門職非正社員を対象としたもので、OFF-JTの受講者と未受講者を対象に「学習機会の提供」と「職務意欲」に関する実証研究であった。この研究では、OFF-JTの受講者の職務意欲は、制度がありながら未受講だった者と制度そのものが無く受講できなかった者それぞれよりも統計的に有意に高かったことが実証されている。また、重回帰分析の結果では、「キャリアコミットメント」とOFF-JT受講後のスキルや知識に対する「変化への肯定的認知」が「職務意欲」に統計的に有意な正の影響を及ぼしていた。そして、「変化への肯定的認知」と「学習機会の満足度」及び「職務意欲」が「リテンション」に有意な正の影響を及ぼしていたことから、「職務意欲」の媒介効果が予測される結果が得られた。 このため2020年度は、大規模なアンケート調査を実施して、2019年度に得られた結果の検証を行う予定であったが、突然のコロナ禍によって、十分な研究の推進がほとんどできなった。そこで、過年度に実施した先行研究のデータを改めて再分析を行い、2019年度の研究成果から得られたインプリケーションを整理し、本研究における仮説の探索的な検証を行った。具体的には、前田(2018)が行った医療・保健・福祉の分野で雇用される専門職非正社員の個票データ370名分の中から、過去1年以内に企業側から提供されたOFF-JTを受講した93名のデータを分析の対象とした。 分析の結果、医療・保健・福祉分野における専門職非正社員においては、企業側から提供される学習機会の有効性が職務意欲を高めることで職場継続の意思を形成させる間接効果があることが明らかになった。なお、媒介効果の検定方法は、ソベルテストを行って実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度がコロナ禍の影響もいあって実証実験の準備(測定変数の精緻化)、データ収集、回収、分析といったフローが実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長して、1年遅れで研究を推進していくこととする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によって予定していた研究の進捗ができなかった。翌年、未実施分の研究を実施して消化を行いたい。
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