2019 Fiscal Year Research-status Report
The effects of incident response on employee and consumer attitudes.
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18K01876
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
日置 孝一 神戸大学, 経営学研究科, 経営学研究科研究員 (60509850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 竜太 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80295568)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不祥事 / 従業員 / ロイヤリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,組織において不祥事が発生した場合に組織がいかに対応すべきかを,ヒトの主観的な判断の視点から切り分け,それぞれのパターンにおける組織の対応が構成員の組織に対するロイヤリティに与える影響と,組織活動の影響を受ける対象(主に消費者)からの組織に対する評価に与える影響の検討を行うことである.2019年度には,昨年度に続き,組織不祥事が発生した際の対応の種類を操作したシナリオ実験をウェブ上で実施した(社会人500名程度対象).具体的には,不祥事が生起した会社に対する消費者の視点からの評価が,不祥事に対する会社の対応によって変化するのか否かを検討した.また,今年度新たな視点として,会社による不祥事公開が行われたか否か,という情報公開の要因を追加した.シナリオでは不祥事の対応として,1.現場の意識改革, 2.具体的原因の改善と対応策,3.対応策の実施,4.具体的原因の改善,の4種の対応を行った会社を参加者間条件として呈示した.主な従属変数として,会社への忠誠心(働きたいか,製品を使用したいか,など),や対応そのものの評価を測定した.その結果,情報公開が行われたか否か,具体的原因の改善が行われたか否か,が会社への評価に影響を与えることが示された.また,不祥事生起の原因を検証する目的として,障害発生時の対応を問うシナリオ実験をウェブ上で実施した(日本・社会人150名程度).ここでは,ある食材が腐敗しているか否かが判別できない場合に,その食材由来の食中毒の発生確率を操作し,店長の立場として当該店舗においてその食材を廃棄するか否か,の判断を求めた.その結果,食中毒が起こった場合の自身への影響を大きく見積もるほど,食中毒が起こる見込みを高く見積もるほど,かつ食材を廃棄した場合の店舗への影響をポジティブに考えているほど,食材を廃棄するという意思決定を行いやすくなることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2種の実験を実施し,次年度以降の準備も進めている状態である.Hawaii大学Justin Levinson教授, Harvard Law School, Robert SmithとともにUC Davis Law Reviewに一本の論文を発表した(2019年12月).
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Strategy for Future Research Activity |
実施した実験結果の分析を進め,結果の公表準備を行う.継続して実験を実施する.
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Causes of Carryover |
当初予定よりも実験謝金の額が低かったため差額が生じた.本年度実施するウェブ実験の予算として使用する.
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Research Products
(2 results)