2019 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおける流通政策と社会関係資本に関する実証研究
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18K01877
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
柳 到亨 和歌山大学, 経済学部, 教授 (00437451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 相鐵 関西大学, 商学部, 教授 (10281172)
横山 斉理 法政大学, 経営学部, 教授 (70461126)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 事業継承 / 人的ネットワーク / 商業政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、東アジアの流通政策における日本商業政策の移転プロセスを明らかにした上で、その相違点を社会的背景から究明することである。この研究目的に沿って、以下の研究を実施した。 (1)主に東アジアの商業調査における事業継承と人的ネットワークに関する研究会を関西大学梅田キャンパスにて3回開催した。とりわけ、2007年に実施した東アジアの商業調査で収集した事業継承データに対する実態調査及び因果分析結果について共有することができた。また、日本の事業継承と他国のそれの相違は、経済的要因やコミュニティ指向のコントロール変数を取り入れることで、明らかにすることが出来る。その結果については、本研究の最終年度に代表者と研究分担者の協議の上で、執筆する予定である。 (2)商業政策の移転に関しては、韓国国会図書館、日本国会図書館、韓国中小企業庁などを訪問し、資料の採集を行った。 (3)研究代表者の柳は、中国の温州商人を対象に、人的ネットワークと事業継承の関係についての調査結果(題目:「温州商人の人的ネットワークと海外進出について」)を学会発表した。これに加えて、研究分担者の崔は、アジアの小売市場におけるファミリービジネスの成長やその可能性について研究発表した(日本商業学会関西部会特別セクション)。日本商業学会関西部会の発表を通じて学術的位置付けや研究課題を共有できた。 (4)以上の研究業績に加えて学術論文を含む論文3本、学術学会での報告5件がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度中に行う予定であった流通政策、事業継承、社会関係資本の文献レビューを行い、商業流通政策研究上の位置付けをを明確にした意味で、おおむね順調に進展しているといえる。これに加えて、本研究の中核概念である事業継承や社会関係資本(とりわけ、人的ネットワーク)を検討し、学会報告で専門家集団との共有ができた。また、東アジアの事業継承の現状や因果分析について、研究代表者と分担者で3回研究発表会を経て、共有できた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)中核概念である事業継承、人的ネットワーク、商業政策の移転をフィールドワーク調査でより精緻化を図ることが次年度の課題である。 (2)事業継承に関する現状と因果分析結果を商店経営実態と関連づけて、その結果を論文にまとめて執筆、刊行する。 (3)主な研究対象が東アジア諸国であり、現状の国際情勢を考慮すると、海外調査の中止も視野に入れざるを得ない。これに関連して問題が生じた場合は、研究代表者と研究分担者が遠隔会議等を通じて円滑な意思疎通を図るとともに、適宜経験豊富な専門家にアドバイスを仰ぐことにする。
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Causes of Carryover |
年度末、コロナ事態による現地調査の実施が不可能となった。翌年度には、研究計画に関連する書籍購入に執行する計画である。
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Research Products
(7 results)