2018 Fiscal Year Research-status Report
消費様式の変化がブランド・ロイヤルティにおよぼす影響の検討
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18K01885
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
久保田 進彦 青山学院大学, 経営学部, 教授 (10340184)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 消費者 / 環境 / 液状化 / ブランド / ロイヤルティ / マーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「リキッド消費が台頭する中で、ブランド・ロイヤルティはどのような影響を受けるのか」について問うものである。リキッド消費とは、現代の消費様式を包括的に捉える概念であり、短命で、アクセスベースで、脱物質的な消費のことである。 本年度は、消費者を取り巻く環境の変化について、研究論文を渉猟するとともに、探索的に情報収集を行なった。その結果、消費環境の変化について、実務書レベルではかなりの指摘が行われているものの、主要ジャーナルをみる限り、学術的レベルではまだ十分な議論がなされていないことが明らかになった。しかしその反面で、消費環境の変化と関連する詳細な実証的研究は、いくつも存在することが確認できた。したがって今後は、これら実証研究を統合させるかたちで、初歩的な分析枠組みを構築することに取り組んでいくことが適切であることがわかった。 また一連の作業を行うことで、リキッド消費におけるブランドマネジメントではセイリエンス(顕現性)が明らかになってきた。伝統的なブランド論において、セイリエンスという概念は必ずしも十分に議論されてこなかったものであり、これについて検討することは本研究の特色の1つとなり得ると考えている。 さらに本年度はこうした取り組みにもとづき、現代消費者をとりまくブランド環境の変化について論文を作成し、これを学会誌に投稿した。そこではBardhi and Eckhardt (2017)によって提示されたリキッド消費概念について検討するとともに、リキッド消費時代のブランド戦略について初歩的な議論を展開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の1年目の予定は、文献研究を行い、議論の枠組みを明確にしていくことにあった。 これに照らし合わせると、現時点において研究活動は問題なく進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究活動2年目にあたる本年度も、昨年度の活動を継続していく。 具体的には文献研究を行い、議論の枠組みを明確にすることに力を入れていく。 また消費環境の変化をどのように測定するかについても、検討を重ねていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当該年度は電子ジャーナルを中心に情報収拾を行なったため、書籍購入などに費やす費用が少なくて済んだ。
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