2022 Fiscal Year Research-status Report
消費様式の変化がブランド・ロイヤルティにおよぼす影響の検討
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18K01885
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
久保田 進彦 青山学院大学, 経営学部, 教授 (10340184)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リキッド消費 / 消費の流動化 / ブランド |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、大きく3つの活動を行なった。 第1に、昨年度開発した「消費の流動性尺度」を用いて、リキッド消費の実態について調査を行った。具体的には、どのような製品カテゴリーにおいて消費の流動性傾向が高いか、また世代によって流動性傾向に違いがあるかなどについて調査を行った。またZ世代の価値観との関連性についても調査を行った。一連の調査によって、リキッド消費の実態について、さらに知見を深めることができた。 第2に、学会研究会において報告およびディスカッションを行った。2022年6月および8月に日本マーケティング学会のリサーチ・プロジェクトの一環として、リキッド消費について報告やディスカッションを行った。6月の学会は「ブランド戦略論を振り返る」というテーマで、8月の学会は「新しい消費と新しいマーケティング」というテーマで開催された。いずれの学会も多くの研究者・実務家が参加され、彼らと多彩な意見交換をすることができた。またそれによって、その後の研究の手がかりやヒントを得ることができた。 第3に、リキッド消費環境におけるブランド戦略について検討を行った。上述した調査や学会におけるディスカッションに加え、企業のマーケターへのヒアリングを行い、消費の流動化傾向が高い場合にどのようなブランド・マネジメントを展開したら良いのかについて検討をした。そしてリキッド消費環境におけるブランド戦略の枠組みを作成した。なおこの成果については、書籍(共著)として発表する予定があり、現在執筆をしているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リキッド消費の実態について把握が進んだこと、学会報告を通じて様々な指摘を得られたこと、そしてリキッド消費環境におけるブランド戦略の枠組みが作成できたことは、本年度の非常に大きな成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題最終年度であることから、これまでの研究を整理することに力を入れていく予定である。適時調査を行いながら、リキッド消費の実態についてさらに深掘りし、それに対応したブランド戦略についても一層のブラッシュアップを試みるつもりである。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によりヒアリングなどの面会の多くがオンラインになり、旅費を使用する必要がなくなりました。また本研究のための調査に企業が協力してくださることとなり、調査費用の負担もなくなりました。残りました予算は、本年度あらたに行う調査などに使用する予定です。
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Research Products
(2 results)