2023 Fiscal Year Research-status Report
消費様式の変化がブランド・ロイヤルティにおよぼす影響の検討
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18K01885
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
久保田 進彦 青山学院大学, 経営学部, 教授 (10340184)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 消費の流動化 / リキッド消費 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は消費の流動化について(1)消費者調査、(2)企業の対応方法の検討、(3)著書の執筆などの活動を行った。 (1)消費者調査については複数の製品カテゴリーを対象として、消費の流動化の実態調査を行なった。具体的には、消費の流動化傾向を把握するために、アサエル(Assael)による「関与」と「ブランド間知覚差異」による分析フレームワークを適用した。低関与度の製品を対象として、ブランド間知覚差異が高い場合と低い場合を比較した結果、消費の流動化傾向に違いが見られた。またこれに加えて、消費の流動化と想起集合との関係についても調査を行った。(2)企業の対応方法の検討については、最近のブランド研究を参考にしつつ、これまで発表してきた2つの戦略(裾野を広げる戦略、生活に溶け込む戦略)をより精緻化するかたちで研究をすすめた。2つの戦略のうち、特に「生活に溶け込む戦略」について精緻化を進めた。(3)著書の執筆については、(2)を整理するかたちで複数の著書を分担執筆した。これらのうち1冊では消費の流動化(リキッド消費)の概要について広くわかりやすく説明し、もう1冊では上述した企業の対応方法に焦点を絞り議論を行った。さらに新たに論文ないしは著書として研究成果を報告するために、これまで行なってきた研究を再整理し、文章化する作業にも取り組んだ。 またこれらに加え、新聞、テレビ、雑誌などのメディア対応を複数回行い、研究成果を広く社会に発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
数年間に渡り研究を続けることで、一定程度の知見が蓄積されてきたことに加え、いくつかの企業から研究活動への協力をいただけたため、当初の予定を上回る充実した活動を行うことができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年にあたるため、これまでの成果を広く社会に発信していきたいと考えている。また本研究で得られた成果を、他の研究テーマに組み込むことで、より一層社会位貢献できる成果を生み出したいと考えている。
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Causes of Carryover |
いくつかの企業から研究活動への協力をいただけたため、調査費用を節約することができた。 残額は、追加的な小規模調査およびパソコン購入に使用したい。
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