2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on economic interaction among consumers
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18K01888
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 晶 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 准教授 (80376574)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 消費者行動 / オンライン・プラットフォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、消費者間の経済的インタラクションに関するミクロ的研究を行うことを目的としている。消費者間の経済的インタラクションとは、フリマアプリやオンライン・オークション、スキルシェアリング・サイトなどにおいて、消費者間がモノやサービスを売買する行為を指す。2019年度は、関連領域の先行研究レビューを入念に行った。その成果はレビュー論文としてまとめられ、以下の学術誌に掲載された。 水野 誠, 大西 浩志, 澁谷 覚, 山本 晶(2019)「デジタルメディア環境下のC2Cインタラクション―研究動向の概観と展望」、『マーケティングサイエンス』、26(1) 7 - 39、2019年6月 また、消費者間で経済的インタラクションを行うためには、健全な取引プラットフォームの整備が不可欠である。そのためには、プラットフォームのガバナンス施策、特に不正ユーザーの特定が重要となる。不正ユーザーの特定に関しては、以下の研究成果として報告・公刊された。 Yamamoto, Hikaru, Sugiyama,Nina, Toriumi, Fujio, Kashida, Hikaru and Yamaguchi, Takuma"Angels or Demons? Classifying Desirable Heavy Users and Undesirable Power Sellers in Online C2C Marketplace", Journal of Computational Social Science 1 - 15 上記研究においてはフリマアプリの約10万件のアカウント停止されたユーザーとほぼ同数のユーザーのデータを用いて、プロフィール、購買情報 、出品情報などの特徴量からアカウント停止ユーザーを予測し、その特徴を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の2018年度においては詳細な文献レビューを行い、レビュー論文としてまとめ、投稿することができた。2019年度は2018年度の成果を投稿し、査読を経て掲載することができた。また、2019年度は消費者間の経済的インタラクションを実現するフリマアプリのユーザーを対象に、質問調査票による調査を実施することができた。この実証研究は、消費者がなぜ消費者間で中古品を売買する促進要因を同定するための予備調査として位置づけられる。この実証研究をもとに、2020年度は分析を進め、論文としてまとめて投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は引き続き関連領域の文献レビューを進めながら、消費者間の経済的インタラクションに従事する消費者のミクロ的な要因を探る予定である。なお、 2020年度には、2018年、2019年と同様にフリマアプリユーザーに対する調査を実施し、分析のうえ論文として投稿する予定である。調査を継続的に実施することにより、消費者間の経済的インタラクションの参加行動に関する経年変化を把握することが可能になる。
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Causes of Carryover |
想定していた国内出張が実施できなかったため。次年度使用額は書籍や消耗品の購入に使用する計画である。
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