2018 Fiscal Year Research-status Report
ストア・ロイヤルティ形成要因とブランド・ロイヤルティへの影響
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18K01892
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
本藤 貴康 東京経済大学, 経営学部, 教授 (30367312)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ストアロイヤルティ / ロイヤルカスタマー / 購入カテゴリー |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度に予定していた研究成果として、顧客購買行動データの分析に基づいて、ロイヤルカスタマーの購買行動分析を行った。デシル分析によると、デシル上位顧客とデシル下位顧客の購買実績として、一回あたりの購入金額や商品単価については顕著な差が見られなかったものの、購入頻度(来店頻度)に大きな格差が生じていることを検証した。 また、購入カテゴリー傾向として、医薬品や化粧品などの専門品の購入傾向は、デシル間に顕著な相違点を見出せなかったが、食料品や飲料などの最寄品、ペットなどの他業態カテゴリーの購入傾向はデシル上位顧客において相対的に強く示されていた。このような傾向は、2017年度の研究で、顧客のロイヤルティ(売上貢献)は購入カテゴリー数と比例して上昇するという事実を検証しているが、その購入カテゴリー数の具体的な傾向を深耕した分析結果になっている。 行動ベースのID-POSデータに基づく総括すると、顧客ロイヤルティに影響する要因として導出されたものは、①購入カテゴリー数、②来店頻度であり、③購入カテゴリー傾向としては、菓子、飲料、ペット、酒類など他業態にとっての主要カテゴリーであり、そのほかに基礎化粧品、ベビーなどが高い購入傾向を示していた。 上記検証結果及び並行して進めているヒヤリング調査等に基づいて、2019年度には、認知ベースの顧客アンケート調査を実施し、多面的な分析軸を加えて研究を進捗させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の研究は、基本的に既存データに基づいた分析だったため、概ね予定通り進捗した。2019年度については、新たに顧客アンケート調査を実施するため、その回収状況によっては進捗に影響を及ぼす可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度のヒヤリング調査によって収集したストアロイヤルティに関する仮説を踏まえて、2019年度には、顧客IDに紐づけされた顧客アンケート調査を実施する予定。 また、アンケート調査の実施前に、アンケート協力企業各社の営業部等へのヒヤリングを緻密に行い、仮説構築の精度を高める。 2019年度の大規模なアンケート調査を実施した後に、認知ベース及び行動ベースの体系的分析アプローチの検討を進める。
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Causes of Carryover |
データ分析用のPCがセール期間中だったため、ディスカウント分が余剰金となっている。しかし、顧客アンケート調査が想定よりもコストがかかる見込みであるため、不足分の一部として充当する予定である。
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