2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K01899
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉田 満梨 立命館大学, 経営学部, 准教授 (30552278)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エフェクチュエーション / マーケター / 意思決定 / 新規事業開発 / イントラプレナー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、不確実性の高い市場環境に直面したマーケターが、いかに課題解決を行うのかを分析し、近年アントレプレナーシップ研究を中心に注目されている「エフェクチュエーション」(Sarasvathy 2001, 2008)の論理のマーケティング課題に対する適用可能性を明らかにすることにある。 具体的には、経験あるマーケターを対象に、新市場創造プロセスにおける意思決定課題から構成される実験を行い、どのように対処するのかを、シンクアラウド法による発話プロトコルデータとして収集・分析を行う。 二年目の2019年度には、意思決定実験によるデータの継続的な収集とさらなる分析を行い、その成果を発表していく予定であったが、一部収集データの破損、研究代表者の産前・産後休暇の影響で、必ずしも当初の計画どおりに進めることができなかった。 ただし、6月には、提唱者であるヴァージニア大学ダーデンスクールのSaras Sarasvathy教授が客員教授を務めるThe Indian Institute of Management Bangalore (IIMB) を訪問し、研究の進め方についてSarasvathy教授の助言を得た。またPh.Dプログラム、エグゼクティブプログラムへの参加、現地のアントレプレナーとのディスカッションを通じてエフェクチュエーションの理論と現実のビジネスの課題への適用可能性について貴重な示唆を得ることができた。 加えて、大企業で新規事業開発に関わる複数のイントラプレナーへのヒアリング調査の実施し、今後の理論家についての知見を得ることができた。その成果の一端は、マーケティング学会でのエフェクチュエーションリサーチプロジェクトや実務者とのディスカッションを通じて発表し、フィードバックを得ながら研究を進めることができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」でも書かせていただいたように、2020年2月初めの出産の影響で2019年度は出張や調査の実施に関してかなりの制約があり、計画通りに調査や成果発表を進めることができなかった。 また8月に、調査データを保管していたストレージデバイスの故障の結果、これまで収集したデータの一部が破損してしまい、回復させることができなかったことから、データ分析にも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、エキスパートの・マーケターの実践知を明らかにすることによって、従来のマーケティング研究を補完する理論開発に寄与すること、起業家の論理としてのエフェクチュエーションを、大企業におけるマーケティングや新規事業開発にも有用な知識として精緻化すること、を目指す。 ただし「進捗状況」で書かせていただいた遅れの発生を踏まえ、最終年度ではあるものの元々調査を行ってきた意思決定実験による発話プロトコルデータの収集・分析を追加で行う必要があると考えている。 また、これまでの研究を通じて、大企業の文脈にエフェクチュエーションの理論を適用する上では、従来のマーケティング論が活用してきたフレームワークやコーゼーションと呼ばれる伝統的なマーケティングプロセスと、エフェクチュエーションに基づく行動の接合がより重要であるという知見を得た。この接合をいかに実現すべきかを明らかにするためには、発話プロトコルデータの分析に加えて、企業内での新市場創造プロセスを検討する質的な調査が求められると考える。したがって、事例研究を併せて行うことで、全体としてのプロセスモデルを整理したいと考えている。
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Causes of Carryover |
産前・産後の対象の影響で、当初予定していた調査及び成果発表のための出張を実施することがきなかったため。
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