2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Effect of Artificial Intelligence on Management Accounting
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18K01921
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
谷守 正行 専修大学, 商学部, 教授 (90733824)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | AI(人工知能) / 意思決定会計 / 予測型経営 / 予算管理 / 管理会計 / 原価計算 / 行動経済学 / 定性判断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,管理会計が機能する本質を突き止め,日本企業の業績回復と持続的成長に資することである。そこで,以下の通り実施計画を立て研究を進めた。①管理会計に対するAI適用のための要件定義と課題抽出,②検証用のAI管理会計ツールの構築,③AI管理会計ツールによるアクションリサーチ,④AI適用要件と適用困難な要因の分析,⑤研究成果のとりまとめと国民・社会への発信である。最終年度ではとくに④と⑤に注力し,次の業績を上げることができた。 ・統計分析では困難な管理会計特有の無意識化の判断や遂行については,AIを適用することでシステム化が可能であることが分かった。ただし,課題は結果に対する要因説明困難性にあることが明らかとなった。 ・予算管理のフィードフォワード機能は,AIの適用研究によって実務での活用にも資する成果をあげることができた。 ・活動基準原価計算は理論は優れているものの実務運用が困難な管理会計であったが,AIによってその課題はほぼ解決されることが実験機によって証明された。 以上のまとめを行うと同時に,国内外への発信を行った。まず,学会関連では国内の証券アナリスト・ジャーナルへの招待論文(2023年9月発刊予定),国際学会ではThe International Academy of Business and Economics (IABE) での発表と査読付きのInternational Journal of Business Research (IJBR)ジャーナルへの寄稿を行った。また,実務面では,2022年5月にJICA(独立行政法人国際協力機構)本部でAIによる予算管理に関する知見の提供,そして2023年3月には株式会社NTTデータと財務省の予算制度に関する課題へのAI適用の可能性を知見の提供と共に議論を実施した。このように,産官学すべてに本研究成果の活用推進を実施済みである。
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