2022 Fiscal Year Annual Research Report
Financial fraud detection using machine learning
Project/Area Number |
18K01923
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
坂上 学 法政大学, 経営学部, 教授 (50264792)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不正会計 / 機械学習 / テキストマイニング / XBRL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度では、まず会計不正をおこなった企業を特定するために、東京商工リサーチによる「不適切な会計・経理の開示企業」調査のデータベース(2008~2021年)を入手した。本データベースによれば、 この間に不適切な会計・経理を行った企業は全部で616社にのぼる。これらの企業の有価証券報告書のXBRLデータを入手し、財務データとテキストデータを抽出した。 まず不正をおこなった企業の財務データの特徴を把握するために、同業種で同規模の企業グループとの比較を行ったが、東芝のような極端な事例を除けば、大きな特徴的差異というものは観察できなかった。ただし、不正会計を行ったグループは、全体としてやや減収減益の傾向がみられ、また市場別では、東証1部(プライム市場)が最も多いが、ジャスダックやマザーズのように比較的中小規模もしくは新興の企業が割合としては多い傾向が見て取れる。 続いて、それぞれの企業の有価証券報告書からテキストデータを抽出し、簡単な頻度分析を実施した後に、特徴的な語句を探るためにTF-IDF分析を実施した。企業によって重要度の高い語句はかなりのバリエーションがあり、結果として多くの企業に共通する語句を特定するには至らなかった。しかしながら、今後、たとえば市場別のデータで解析をしたり、あるいは同業他社ではなく上場企業全体を解析対象として広範なデータのもとで解析した場合に、何らかの特徴が見いだせるかもしれないとの感触を得た。このため、今年度で本研究課題を終えることになるが、継続して様々な視点からの解析を試みたいと考えている。 なお本研究課題に関連する研究内容は、今後行う追加的な解析も含め、書籍化を検討している。
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