2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K01925
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
付 馨 京都学園大学, 経済経営学部, 准教授 (80551051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 智敏 東海学園大学, 経営学部, 教授 (70153509)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 統合報告 / 情報機能 / 変革機能 / テキスト分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、統合報告の機能を理論的に明らかにしたうえ、統合報告書の記述的表現の自然言語としての側面に注目し、定量テキスト分析を行い、その内容的特徴を明らかにし、統合報告の機能を解明・検証したい。具体的には、企業報告の開示理論に基づき、統合報告の機能を理論的に解明し、定量テキスト分析の手法を使い3つの目的を達成しようとする。<目的1>統合報告書の非財務情報に用いられる言語表現をテキスト分析ソフトで分析を行い、どのような言語表現が使用されているのか、その実態を明らかにする。<目的2>統合報告書の非財務情報の言語表現の質的特徴について定量統計の分析手法を用いて検証し、明らかにする。<目的3>統合報告書の非財務情報に含むメッセージと投資家意思決定、及び企業変革との関連性について統計分析の手法を用いて実証的に解明する。
そのために、平成30年度においては、研究協力者と一緒に統合報告に関する理論研究を行ってきた。また、神戸CSR研究会に参加し、研究発表を行い、有益なアドバイスをいただいた。この研究では近年の統合報告に関する先行研究をレビューし、統合報告に関する最新の研究進展を解明し、理論と実践の立場から研究の方向性を再確認し、統合報告の理論を充実しようとしている。その成果は図書『会計研究の系譜と発展』に一部収録されている。 また、統合報告書の内容分析と統計分析の準備もしてきた。先行研究をレビューしつつ、統合報告書の内容分析と統計分析について検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、統合報告の情報機能と変革機能を理論的・実践的側面において明らかにし、統合報告の制度化に貢献することを目的としている。そのために、まず、既存の理論と実践的研究についてレビューを行い、その成果の一部を公表している。また、実証分析についての準備も進んでいる。よって、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
統合報告理論をさらに充実すると同時に、統合報告書の内容分析と統計分析を実施する予定である。 2019年度は、統合報告書の言語表現の実態を明らかにするため、IIRCのフレームワークで提示される内容要素ごとに、自然言語である定性情報(公表された統合報告書の原文)を日本語のテキスト分析ツール(Text Mining Studio) を利用し、言語のそのものの傾向を調べた上、構造化された定量情報(2値データ)に変換する。 前述言語表現を解析し得られた定量データをもとに、テキスト表現の質的特性を解明した上、統計解析ソフトを利用し、多変量解析(クラスター分析、主成分分析、因子分析など)を行い、言語表現の指標化を図る。
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Causes of Carryover |
参加予定の国際会議は2019年4月に開催したため、年度が変わった。2019年4月に香港理工大学で開催されるAsian Global MIKE Award 2018 の参加旅費、宿泊費等として使用する。
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Remarks |
研究会発表: 2018年11月4日 京都マーケティング研究会 「日本における統合報告の開示実態と開示企業の特性分析」 2019年2月23日 神戸CSR研究会 「統合報告のゆくえ」
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Research Products
(1 results)