2020 Fiscal Year Annual Research Report
Case study on the interactions between amoeba management and the other management systems
Project/Area Number |
18K01926
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
堀井 悟志 立命館大学, 経営学部, 教授 (50387867)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 予算管理 / アメーバ経営 / 継続的改善 / 情報システム / ERP / SFA / BI |
Outline of Annual Research Achievements |
アメーバ経営には情報システムの導入を伴うことを念頭に,2021年度は管理会計制度と情報システムの相互作用について関与型研究に基づき検討を行った。一つ目のケースでは,原価計算制度変革の障害として,制約としての既存のERP,不十分な基礎データ,経理部とその他の部門との連携不足,そして研究者と実務家との知識の断絶があることを示した。そのうえで原価計算制度が過去の制度による拘束の範囲でしか変化できないような継続性をもっていることなどを明らかにした。二つ目のケースでは,営業支援システム(SFA)のデータを解析・可視化したビジネスインテリジェンス(BI)を活用することで,フィードフォワード型予算管理において重要な予想実績の算出が可能となり,それによって四半期を管理期間とした予予実差異分析が行われていることが明らかになった。また,このSFAと連携させたBIを確立する過程では,現場目線でBIを確立し,その活用を促すことで現場での入力データの質・量の向上を図り,それが結果として経営上層部や営業本部長といった上位管理者が予算管理で用いる予想実績情報の質を高めることになったことを明らかにした。さらには,SFAの進捗状況情報を通じて営業活動の透明性が高まることで,予算ゲームの減少という予算管理の行動的側面に対する効果もあったことが示された。 また,アメーバ経営の導入といった管理会計制度の導入・改善が継続的改善をいかに促進するのかについて検証を行い,これまでは改善目標と成行実績との乖離という形で個別独立的な制度として捉えられてきた継続的改善が,原価計算の改善とそれによる価格決定実践の変化やアメーバ経営の導入によって連携的緊張関係が生み出されることで継続的改善がより戦略的に促進されることを明らかにした。
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