2019 Fiscal Year Research-status Report
The Theoretical and Empirical Research of the Effects of Integrated Reporting on Management for Corporate Value Creation
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18K01931
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
内山 哲彦 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (50334165)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 会計学 / 管理会計 / 統合報告 / 経営管理 / 企業価値創造 / インタンジブルズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多様なステークホルダーの存在を前提に、企業価値創造に向けた統合報告による経営管理への効果に関する実態把握と理論的考察を目的とする。 2019年度は、企業価値創造において重要なコーポレートガバナンスに焦点を当て、その本質的な目的を持続可能な企業価値創造にあると考え、考察を行った。そして、コーポレートガバナンスの1つの仕組みとして統合報告を位置づけ、統合報告を中心に、コーポレートガバナンスの枠組みについて検討した。具体的には、ガバナンスと経営管理の概念について整理し、今日の企業経営がよって立つ経済基盤における変容と企業経営への影響について考察した。そして、コーポレートガバナンスとその改革、そこでの統合報告の役割について整理した。さらに、「日本版スチュワードシップ・コード」「コーポレートガバナンス・コード」それぞれの改訂版を踏まえて、コーポレートガバナンスの枠組みとして「トリプル・ループ・モデル」を提示し、そこでの統合報告の位置づけや役割について明らかにした。 また、本研究の目的である、企業価値創造に向けた統合報告による経営管理への効果の体系化を進めるべく、統合報告と統合思考が企業価値創造を実現する枠組みについて検討を行った。そのなかで、企業価値について整理し、今日の経済基盤の変容と、そこでの管理上の必要性、課題解決の1つのツールとしての統合報告の役割を整理した。加えて、経済価値創造と社会価値・組織価値創造との統合を前提とした経営とその課題、国際統合報告フレームワークに示される統合報告の4つの目的について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、コーポレートガバナンスに焦点を当て、その本質的な目的を持続可能な企業価値創造にあるとして考察を行った。そして、その1つの仕組みとして統合報告を位置づけ、統合報告を中心に、コーポレートガバナンスの枠組みについて検討した。その結果、コーポレートガバナンスおよびその改革と、そこでの統合報告の役割について整理を行うことができた。そして、コーポレートガバナンスの枠組みとして「トリプル・ループ・モデル」を提示して、そこでの統合報告の位置づけや役割について明らかにした。また、企業価値創造に向けた統合報告による経営管理への効果の体系化に着手し、統合報告と統合思考が企業価値創造を実現する枠組みについて検討を行うことができた。 統合報告の取り組みにおいて先進的な企業に対するインタビュー調査については、2019年度は新たな調査サイトの開拓を行うことはできなかった。しかしながら、2018年度終了時点において、CSRやESGにおける企業価値のうち、2018年度に焦点を当てたSDGsでは取り上げきれなかったコーポレートガバナンスにかかわる領域についてさらなる検討を加え、経済価値とCSRやESGにおける企業価値とをあわせた持続可能な企業価値創造における統合報告の役割・意義について考察を行い、知見の体系化を図る予定とした。上記の理論的考察において、予定に沿った進捗が見られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、コーポレートガバナンスの本質的な目的を持続可能な企業価値創造にあるとして、その1つの仕組みとして統合報告を位置づけ、統合報告を中心に、コーポレートガバナンスの枠組みについて検討した。また、企業価値創造に向けた統合報告による経営管理への効果の体系化に着手し、統合報告と統合思考が企業価値創造を実現する枠組みについて検討した。 2020年度は、人的資産(従業員)に焦点を当てて研究を進める。人的資産は、主に経済価値創造の源泉であるインタンジブルズとして、また、近年の働き方改革、ダイバーシティ、人権などの点で社会価値・組織価値創造に大きくかかわるものとして、統合報告書の重要な記載内容である。さらに、これまでの研究において、統合報告のより良い実践、統合思考の浸透においては、従業員の果たす役割・機能が重要であることを把握している。これまでの研究成果も盛り込みながら、最終年度として、企業価値創造に向けた統合報告による経営管理への効果に関する理論的考察と体系化を進める。 あわせて、統合報告の取り組みにおいて先進的な企業に対するインタビュー調査を継続する。新たな調査サイトの開拓を含め、引き続き調査を進める予定である。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査がなかったこともあり、旅費の支出が予定より少額であった。2020年度は、調査に加えて学会発表など、旅費の支出がより多く生じることが想定される。2020年度分とあわせ、支出を行う計画である。
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Research Products
(3 results)