2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on revenue management as customer management accounting
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18K01941
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
青木 章通 専修大学, 経営学部, 教授 (80338847)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 管理会計 / ダイナミックプライシング / レベニューマネジメント / 顧客管理会計 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目である今年度は、理論的なフレームワークの構築を行った。その結果として、収益管理の長期的視点と他業界へ拡張について考察を行うことができた。 長期的視点の考察については、株主だけでなく顧客、従業員、不動産のオーナー、地域社会といった多様なステークホルダーを考慮に入れるべきこと、およびレベニューマネジメントの実施に当たっては3つのトレードオフ(稼働率と販売単価のトレードオフ、短期的な収益の最大化と評判の向上とのトレードオフ、単一部門の収益性と複数部門の収益性とのトレードオフ)が存在しており、そのトレードオフを長期的な視点で解消すべきことが明らかになった。トレードオフの解消は困難ではあるが、キャパシティを配分すべき優良な顧客を長期的視点から識別すること、レベニューマネジメントを戦略的な経営管理技法としてとらえ、計画段階における管理を重視することがトレードオフの解消に貢献する可能性があることを指摘した。 また、トランクルーム、プロスポーツ球団、技術サービスなど多様な業界におけるレベニューマネジメントのあり方を比較し、考察した。いずれの企業も長期的な顧客生涯価値の向上を目的としてKPIを設定し、管理を行っていた。そのうえで、キャパシティが有限である場合には、顧客セグメントの組み合わせを、その利益発生パターンを考慮しながら、時間の経過に応じて変更すべきことが明らかになった。すなわち、収益モデルの研究は、時間の経過に対応した動的なモデルとして考察すべきである。 これらの内容は、3本の論文にまとめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、今年度末において、サービス業界を対象とした質問票調査を実施予定であった。しかし、コロナウイルスの影響により、質問票調査を行うべき経営環境ではなくなり、送付を延期している状態である。以上の点を鑑みて、「やや遅れている」との評価となった。 質問票以外の論文の執筆等については、順調に推移していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年度は、研究の取りまとめを行う。 昨年度に実施できなかった質問票調査および補足的なインタビュー調査を行ったうえで、複数の論文に取りまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響により、実施する予定であった質問票調査、インタビュー調査を行うことができなかった。そのため、今年度の仕様額が予定よりも少なくなった。一方で、来年度に購入予定であった書籍の一部を今年度に購入したため、差額は少額(約5万円)にとどまった。
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