2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the sophistication process of MCSs in start-up companies
Project/Area Number |
18K01942
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
福田 淳児 法政大学, 経営学部, 教授 (50248275)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スタートアップ / マネジメント・コントロール・システム / 精緻化 / 予算管理システム |
Outline of Annual Research Achievements |
スタートアップ企業におけるMCSの精緻化に関する郵送質問票調査を実施した。MCSは「情報の流れと,管理的なプロセスまた手続きの組み合わせ」(Merchant, 1981, p.813)である。本研究では,MCSが経営者また管理者に提供する情報の側面とMCSのプロセスまた手続きの側面の両面を考慮に入れ,文献レビューに基づいて,MCSの精緻化の程度の測定尺度を開発・測定した。なお,本研究では,企業設立の初期段階で多くの企業で採用される予算管理システムを対象とした。 予算管理システムの提供する情報についての精緻化の程度は,Chenhall and Morris (1986) に基づいて,管理会計情報の特性である(1)範囲,(2)適時性,(3)集約のレベルおよび(4)統合のレベルの4つの次元に照らして測定した。予算管理システムが提供する情報について,1を「全く提供されていない」,7を「十分に提供されている」とするリッカートスケールで尋ねた。その結果,情報提供の適時性については平均4.67,統合のレベルについては4.60,集約のレベルについては4.38,さらに範囲については3.83であった。情報の適時性が重視される傾向がみられる。 また,予算管理システムのプロセス面については,Wijewardena et al.(2004)に基づいて,「予算編成の局面における財務的また非財務的な要因に関する定量的な目標の設定している」,「目標達成のための活動計画を策定している」,「予算目標と実績との差異を定期的に把握している,「予算差異を適切な是正活動のために利用している」という質問項目に1を「全く当てはまらない」7を「全くそのとおり」とするリッカートスケールで尋ねている。予算管理システムの公式化については5.86であった。予算管理システムの公式化の程度が高いことが理解できる。
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