2020 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Study on the Situations where Target Costing is Effective
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18K01947
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清水 信匡 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (90216094)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 原価企画 / コストマネジメント / 製品アーキテクチャ / 製品開発マネジメント / 差別化製品 / コモティディ製品 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、我が国の製造企業のコスト競争の優位性を支えていた原価企画はどのような状況(企業環境、事業戦略、製品アーキテクチャ等)のもとで有効に機能を発揮するのかという研究課題を理論的に考察し、仮説を導出し、質問票調査、インタビュー調査を通じて明らかにすることを目的とした。2020年度は、差別化された製品に対する原価企画においては、どのようなコストマネジメントが行われるのかを理論的に考察した。 原価企画においては、製品単位あたりで目標原価を設定する慣行が定着している。製品原価を単位あたりで考える場合、生産量によって製品原価は変化する。なぜなら、直接費は生産量が変化しても不変あるいはあまり変わらないが、製品原価のなかで単位あたり固定費は生産量によって変動するからである。これは製品原価を全部原価で考える場合に必然的に生じる現象である。このような単位あたり固定費が生産量によって変動することが目標原価の設定にいかに影響を及ぼし、さらに設計エンジニアの意思決定に影響を及ぼし、さらには製品の開発設計プロセスにどのように影響するのかについて考察した。 単位当たり固定費を削減することは、固定費全体を下げるか、製品単位当たりの固定費の配賦額を下げるかのいずれかになろう。固定費全体を考えることもあろうが、これはトップマネジメントの戦略的な意思決定になる。したがって、固定費全体の削減の方策に関与することは設計エンジニアにはかなり難しい。しかしながら、設計エンジニアにとって固定費配賦額を下げるアイデアをだす事は可能である。例えば、加工時間を短縮するようなアイデアは単位当たり固定費を下げることにつながる。したがって、目標原価を固定費に設定するような実務は、設計エンジニアにより加工時間を短縮できるような加工方法、工程設計を考えることになるのではないかという仮説が導出できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナパンデミックで、企業へのアンケート調査が困難になったので、質問票調査は2021年度に延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに導出した原価企画の有効性に関する仮説を実証的に分析するために、本年度は質問票調査あるいは企業への聞き取り調査を行いたい。特に2018年度に導出した以下の仮説を実証する予定である。(1)原価企画は、顧客から評価される増分機能を提供する差別化した製品に価値を付加するときに効果的だったアプローチである。(2)これとは対照的に、コモディティ化した製品は、競合他社と同じ機能、性能、および品質を生み出す製品に対してより安い価格を提供するというアプローチである。(3)原価企画は、生産サイクルの上流で消費者に付加価値を提供するコスト戦略を中心とするが、コモディティ化した製品は、大量生産と規模の経済を主としたコスト戦略が重要になる。
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Causes of Carryover |
2020年度に実施予定であった質問票調査と海外学会への参加を2021年度に延期したことが主な理由である。
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Research Products
(2 results)