2018 Fiscal Year Research-status Report
コーポレートガバナンス・コードを踏まえ多様化する株式報酬制度に関する会計の研究
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18K01953
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
山下 克之 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (00546955)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 特定譲渡制限付株式 / ストック・オプション / 有償新株予約権 / コーポレートガバナンス・コード |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は新たな広がりを見せる株式報酬制度全般について,先行研究,会社法,会計基準等の資料収集を行った。そして,特定譲渡制限付株式,ストック・オプションに関して研究者との意見交換を行い研究を進め,一部内容については,学会および研究会において報告を行った。具体的には次の観点に拠り研究を進めた。 1.特定譲渡制限付株式の研究については,特定譲渡制限付株式に関する税制上の規定および会社法上の解釈を見た。加えておもに会社法の研究者より指摘がされていた会社法上の問題点を整理した。そして,経済産業省より示されていた会計処理案では,特定譲渡制限付株式と同様に報酬対価として付与されるストック・オプションに関する会計処理との間に役務提供に関しての認識に齟齬が生じていることなどを踏まえ,特定譲渡制限付株式の会計処理について検討を行った。その後,研究者との意見交換を踏まえ,論文にまとめ専門誌において公表をした。 2.ストック・オプションの研究については,実務対応報告第36号「従業員等に対して権利確定条件付有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」を踏まえたうえで,権利確定前のストック・オプション会計について研究を行った。具体的には,実務対応報告36号における財貨として払い込まれる現金の会計処理および権利不確定による失効に関連した一般のストック・オプションを含めた会計処理について,特に労働サービスの既費消分の扱いの観点より考察を行った。そして,負債と資本の区分の議論も踏まえ多様化する株式報酬制度に関して,体系的かつ整合的な会計基準が今後設定されるための考察を深め,学会において報告をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を学会や研究会で報告をし,一部を論文にまとめて公表をした。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して研究会,学会で研究成果を発表することを通して論文の完成度を上げ,学術雑誌で研究成果を公表する。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成30年度は,研究を推進するにあたって,主に資料収集や先行研究の読み込みを行った。また,研究集会,学会参加では国内を中心に活動をした。これらの要因により,資料収集や国際学会参加に伴う経費を抑制することができた。 (使用計画) 平成31年度および令和元年度は,これまでの研究で使用しなかった以下の経費の発生を見込んでいる。1)情報機器の購入,2)国内外の新たな学際領域の研究集会への参加,3)幅広いデータの収集,整理,分析,4)歴史的な書物や比較的高価な洋書や専門書の購入。
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