2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K01967
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
井戸 聡 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (40363907)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 地域おこし協力隊 / 条件不利地域 / 移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、条件不利地域における国家支援事業として制度が設けられている「地域おこし協力隊」について、社会学的手法を用い構造的に把握することを目的としている。本研究の特性は、広がりを見せる地域おこし協力隊が抱える隠れた困難について、個人史や意識のダイナミクス、制度運用、人間関係等の側面を面接法などによる質的調査によって当事者主観から捉え、併せて統計データによる数量的把握と総合しての総体的理解を図る点にある。 「地域おこし協力隊」制度は、人口減少や少子高齢化等が著しい条件不利地域へと都市部の人材の移動を促し、地域協力活動を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組みである。都市を離れての地方での暮らしへの志向、自己実現への理想、地域おこしへの関心等を持つ都市住民を地方自治体が募集して協力隊員として委嘱し、生活拠点を移して、「よそ者」「若者」の斬新な視点や行政では行えなかった柔軟な地域おこし策による地域協力活動や、移住による人口増加などによって、地域力の維持・強化を図ることを目的としている。 初年度の研究として、手法についての検討、面接法による現地調査および量的調査の設計と下準備を行った。面接法による調査では主に東海地区の愛知県内について研究を進めた。また、量的調査の準備として、愛知県内の自治体において予備的な調査を行い、量的調査の可能性について検討を行った。 本研究に関しては次のような報告を行った。2018年7月にXIX ISA World Congress of Sociologyにおいて、また、2018年9月に日本社会学会において、その他、研究会などにおいての報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東海地区の地域おこし協力隊に関して調査を進める予定であったが、愛知県以外の地域おこし協力隊についての調査がやや遅れているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
比較的進んでいる愛知県内を対象とした研究を先行して進めていく。また愛知県外の東海地区の調査を引き続き進め、東海地区全体を射程とした調査を設計推進できるように引き続き準備を進めたい。特に夏季休業期間を利用して研究を進めていく予定である。 また、研究成果については引き続き、学会や研究会、論文、報告書などを通じて発表し、社会に還元していく。
|
Causes of Carryover |
国内の調査予定で実施できなかったものがあり、その調査旅費が次年度使用額として生じた。使用計画としては、次年度の調査旅費として使用する予定である。
|