2023 Fiscal Year Annual Research Report
Gender Roles in Television Commercials in Asia
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18K01979
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
ポンサピタックサンテ ピヤ 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (60555481)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジェンダー役割 / 広告 / アジア / 国際比較 / 社会学 / テレビ広告 |
Outline of Annual Research Achievements |
「アジアのテレビ広告におけるジェンダー役割の国際比較」と題した本研究は、アジア諸社会のテレビ広告に現れるジェンダー役割の内容分析を中心とした国際比較を通じて、社会と広告の相互関係の解明をめざすものである。最大の研究目的は、異なった文化的・歴史的背景をもつアジア諸社会において、いかに広告におけるジェンダー役割が社会状況やその変化を反映しているかを明らかにすることである。具体的には、アジア6ヵ国(日本・中国・韓国・台湾・シンガポール・タイ)の広告において、ジェンダー役割、特に労働場面でのジェンダー役割がいかに現れているか、その類似点と相違点を考察することである。本研究の最終目標は、こうした課題を通して〈アジア広告の社会学〉という新たな研究分野を創設することである。 2018年~2020年において、本研究の5,910本の広告サンプル分析結果から、これらの六カ国のアジア国々における働く男性と女性の割合、および、男女性の職種と職業に従事する以外の役割には違いが見られることが明らかとなった。また、アジアのテレビ広告におけるジェンダー役割の平等性の描かれ方のパターンはいくつか存在していることが分かった。このように、これまでの広告におけるジェンダー役割と異なり、アジアのテレビ広告におけるジェンダー役割の平等や新しい非性ステレオタイプが誕生していることがわかる。したがって、本研究の分析結果はアジアの広告における性ステレオタイプ描写が減少している傾向を証明できると考えている。 さらに、研究成果として、大学の授業での有効活用、国内外の学会発表や学術雑誌・学内論文への掲載を行っている。
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