2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Historical Sociology of Retreat and Permeation of American Multiculturalism
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18K01982
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
南川 文里 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (60398427)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多文化主義 / 人種 / 人種主義 / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は本研究の最終年度として、成果となる単著書および論文の刊行、補助的な海外調査を実施した。まず、研究成果として、単著書『アメリカ多文化社会論[新版]:「多からなる一」の系譜と現在』(法律文化社、2022年)を刊行した。同書は、本科研の研究成果を学生や一般向けの概説書として刊行したものであり、アメリカ合衆国における多文化社会としての歴史的変遷を解説しながら、「多からなる一」を具現化するための社会構想として、同化、文化多元主義、多文化主義の概要を議論した。また、2020年の新型コロナ危機やブラック・ライヴズ・マター運動などのトピックを加え、最新の議論に併せて全面的に改稿した。そのほか、多文化主義政策としてのアファーマティヴ・アクション(AA)政策の最新動向として、アジア系団体によるAA反対論の動向を論文等にまとめたほか、コロナ危機後の最新動向を確認するためにロスアンジェルスにて現地調査を実施した。研究期間全体の実績としては、本科研およびこの前に実施した科研(課題番号26380720)の成果出版物として、『未完の多文化主義:アメリカにおける人種、国家、多様性』(東京大学出版会、2021年)を刊行した。同書は、アメリカ型多文化主義の特質を比較研究を踏まえて整理したうえで、それが1960年代の公民権改革の成果として成立し、その後厳しい批判にさらされながらその形を変えながら現代にいたる過程を、AAおよび多文化教育の変容に着目して議論した。なお、同書は、2022年6月に第38回大平正芳記念賞およびアメリカ学会中原伸之賞を受賞した。
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Research Products
(7 results)