2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K01998
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
鈴木 規之 琉球大学, 人文社会学部, 教授 (60253936)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 沖縄 / 南米系日系人 / 文化資本 / ネットワーキング / 社会的排除 / 社会的包摂 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度においては、個人へのインタビュー調査の予備調査として、南米系日系人ダンサーが主宰するサルサ教室において参与観察を行った。 その結果、対象者のサンプリングについては、当初は初級者に、異文化学習する前と後での変化や学ぼうと思い至った経緯などをインタビューすることを想定していたが、実際には中級者が多いこと、クラスをまたいで受講する参加者が多く初級者との線引きが難しいことから、対象者のダンス歴については広くとった方がよいことが明らかになった。 調査方法については、社会関係資本に関する先行調査の多くは量的調査であるので、本調査の第一段階として異文化学習を結節点とした社会関係資本の活用状況についての量的調査を行う必要があると結論付けられた。 量的調査では当該サルサ教室の社会関係資本としての構造を明らかにすることを目的とし、後に続く質的調査では詳細なエピソードや当該の社会関係資本に対する主観的な位置づけについて聞き取る。このため、社会関係資本に関する先行調査の情報を収集し、レビューを行った。そのうえで質問票の作成に着手した。 今回企画している調査はホスト社会側の異文化学習に関するものなので、異文化学習を「社会的橋渡し」の活動として位置づけ、実際に橋渡しの役割を果たしているか(南米系日系人との仲間意識を醸成しているか、文化的理解を深めているか、南米系日系人への支援につながっているか等)を実証することを調査目的とする。また、「南米系日系人への支援」の内容も、ちょっとした情報提供や情緒的サポートから仕事の斡旋、金銭的支援まで様々に想定されるが、公的サービスへの連結に注目した質問項目を盛り込めば「社会的連結」へのアクセスについても実証的に分析できると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ申請時の計画通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度においては、県の日系人関連施策に関わるドキュメント収集を開始するほか、サルサ教室を起点としたスノーボールサンプリングによって、ラテンダンスに親しんでいる個人への量的調査および質的調査(本調査)を実施し、調査結果について学会報告を行う。 平成32年度においては、本調査の分析をさらに深化させて成果報告書を作成するほか、学術誌への論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
平成30年度においては、物品費を旅費(25,160円)と謝金(20,470円)を補うために使用し、物品は購入しなかったため、4,370円の次年度使用額が生じた。その分は次年度において、物品を購入するために使用する。
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Research Products
(2 results)