2019 Fiscal Year Research-status Report
戦後大衆社会の形成と出版メディア―戦時中との連続性と戦後民主主義に着眼して―
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18K02001
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Research Institution | Miyazaki Municipal University |
Principal Investigator |
阪本 博志 宮崎公立大学, 人文学部, 准教授 (10438319)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歴史社会学 / メディア史 / ライフヒストリー / 大宅壮一 / 影山三郎 / 「ひととき」 / 『平凡』『明星』 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主要な研究成果は、次の2点である。 第1に、2019年9月発行の鳥羽耕史・山本直樹編『転形期のメディオロジー――一九五〇年代日本の芸術とメディアの再編成』(森話社)において拙稿「大宅壮一の「熱い戦争」と「冷たい戦争」――海外ルポルタージュなどの活動をめぐって――」を発表した。そして11月に人文書院より拙著『大宅壮一の「戦後」』を上梓した。 第2に、戦後ジャーナリズムへの女性参加において重要な存在である『朝日新聞』家庭面「ひととき」欄を創設した影山三郎について、影山三郎著(拙編・解題)『朝日新聞家庭面「ひととき」欄の三十年――戦後マスコミ読者論』全3巻を、10月に金沢文圃閣から刊行した。これは、雑誌『マスコミ市民』1968年10・11月号から1982年6月号まで150回にわたり連載された「戦後マスコミ読者論」をはじめとする、著書未収録の影山の著作物を編纂したものである。 以上のほか、2019年10月29日に、「東アジアと同時代日本語文学フォーラム」2019台北大会において、「出版メディアの「送り手」の戦中と戦後(2)――1950年代の大衆娯楽雑誌『平凡』をめぐって――」と題した口頭発表をおこなった。これは、拙著『『平凡』の時代――1950年代の大衆娯楽雑誌と若者たち』(昭和堂、2008年)の内容を発展させたものである。 研究成果の社会への発信としては、(発表順に)『東京人』『西日本新聞』『週刊読書人』に寄稿し、研究で得た知見をわかりやすく伝えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のような研究成果を公刊することができた。また、文献調査・インタビュー調査も進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も、調査を進めるとともに、成果も順次発表していく。
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Remarks |
上記の研究成果のほか、研究で得た知見を社会に広く発信した。発表順に、「「希交会」発足より65年「女中」サークル誌「あさつゆ」に見る戦後民主主義」(『東京人』2019年5月号)、「書評 奥武則著『黒岩涙香――断じて利の為には非ざるなり』(『西日本新聞』2019年12月21日朝刊)、「書評 今田絵里香『「少年」「少女」の誕生』」(『週刊読書人』2020年1月17日号)である。
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Research Products
(10 results)