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2021 Fiscal Year Research-status Report

関係者の証言に基づく改正貸金業法の10年:リスクの社会化の応用可能性と新たな問題

Research Project

Project/Area Number 18K02016
Research InstitutionKinjo Gakuin University

Principal Investigator

大山 小夜  金城学院大学, 人間科学部, 教授 (10330333)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords過剰債務 / 改正貸金業法 / 被害 / 公害 / 自由と正義 / 東アジア / マーケットデザイン
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、2006年に制定された改正貸金業法の社会的影響を記述し分析することである。具体的には、改正貸金業法制定当時の論点が実際どのような経過と帰結をもたらしたかを、改正貸金業法に関わる6つの界(支援実務者界・行政界・司法界・立法界・経済界・学術界)の動向に着目して把握するとともに、諸外国への応用可能性を探り、「自由と正義の両立」という普遍的な課題への理論的な貢献をしようとするものである。この目的に対して本年度の実績は以下のとおりである。
・支援実務者界の東アジア(日本・韓国・台湾)国際会議(オンライン開催)、及び日本の全国集会に参加し、コロナ禍における各国、各地域の過剰債務問題の実態と対策等について重要な情報や証言を得ることができた。
・日本・韓国・台湾の過剰債務運動に特徴的な「被害」概念や問題当事者(過剰債務者)による告発型の自助組織は、公害等に取り組む日本の実務者界の伝統から着想が得られ発展してきた。このことは本研究が一次資料に基づき明らかにしてきたことであるが、本年度は公害に関する資料や文献等を渉猟することで、過剰債務運動が公害運動から何を引き継ぎ、何を独自に発展させてきたのかを探った。
・改正貸金業法は、ローンやクレジットにおける「契約の自由」を社会的な望ましさという「正義」の点から規制するものだった。これに対して、近年、学術界と経済界の連携・融合を通じた数理工学的な技術の開発と実用化(例えばマーケットデザイン研究など)が注目されている。これは「テクノロジーによる自由と正義の両立」という第三の道を示唆する。このような展開が改正貸金業法の評価や今後の過剰債務対策に与える影響を探った。
・社会貢献の一環として、本研究の成果の一部を動画教材(論点を確認できるクイズ・正答・解説付の資料を含む)にまとめ、他大学の経済学授業に提供し活用された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナ禍の影響で現地調査や対面型のインタビュー調査がほぼできなかったためである。

Strategy for Future Research Activity

研究の進展に遅れが生じていることから、期間延長を申請し、1年の延長が認められている。6つの界の力学を俯瞰するためには、引き続き文献・資料の渉猟を行うとともに、オンラインによる一対一のインタビュー調査やグループインタビュー調査も積極的に活用する。また、可能な範囲で現地調査や対面型のインタビュー調査も行う予定である。

Causes of Carryover

コロナ禍により当初計画していた現地調査や対面型のインタビュー調査ができなかったためである。しかし、コロナ禍を契機としたデジタルツールの普及を背景に、オンラインによる一対一のインタビュー調査やグループインタビューが一定程度可能となった。また、感染対策に留意した現地調査も可能になりつつある。以上から、安全かつ可能な調査法を柔軟に活用することで関係者の証言を広く得る予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] クレサラ運動の原体験:被害の「発見」と見てしまった者の責任2021

    • Author(s)
      大山小夜
    • Journal Title

      2021年クレサラ・生活再建白書

      Volume: - Pages: 50

URL: 

Published: 2022-12-28  

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